べるぶネオ
読まないで!?ドクターXの酔いどれ放言/「キャーキャー言われてスポットライトを浴びたい担当医」 (2018/10)
特集/発達障害って?(2018/10) | ドキュメント・ザ・舞台裏(2018/10) |
読まないで!?ドクターXの酔いどれ放言(2018/10) | おそと ぶらり探訪(2018/10) |
「キャーキャー言われてスポットライトを浴びたい担当医」
〈終業後、京都市伏見区の居酒屋Fにて〉
今年の夏は猛暑でしたが、先生は夏バテなど大丈夫ですか?
「体調面は日頃から気をつけてるから問題ないけど、精神面がなんか物足りないんやなァ」
相変わらずモヤモヤしてらっしゃるようですね(笑)
「とりあえず何か頼もか。僕はわかさぎの南蛮漬けにするわ」
いいですね~。となると、やっぱり日本酒ですかね。
〈わかさぎの南蛮漬けその他で、日本酒4合目に〉
「君やから言うけど、僕だってもっとチヤホヤされたいんや」
ゴホゴホッ……! せ、先生、お酒が気管に入ってムセたじゃないですか! いったい唐突にどうしたんですか!?」
「みんなからワーワーキャーキャー言われたり、世のスポットライトを浴びたりしたいんや。こんな願いはいつか叶うんやろうか」
キャー! そんなお茶目な先生ったらステキです!!
「あのなァ、君みたいなオッサンに言われても気色悪いだけや」
これは失礼しました。しかしまた、どういう風の吹き回しですか?
「人気のTVドラマなんかに登場して注目されるって、外科とか救急科のドクターやろ? 私失敗しないので! とかカッコイイせりふ決めたりして」
それって本家のドクターX……。
「そう、こんなコーナーで毎回くだ巻いてる僕とは大違いや。いいよなあ、本物のドクターXは(ため息)」
先生、アレはあくまでもフィクションですから(笑)。しかし精神科医をモチーフにしたTVドラマとかって確かに少ないですね。
「でしょ? もっと精神科医療も日の目を見ていいと思うんや」
どうして精神科はあまりTVドラマに登場しないんでしょう?
「精神疾患についての世間的な理解がまだ不充分で、精神科に対する偏見やそれに伴うタブー意識があるんやないかなあ。だとしたら番組にスポンサーも付かないし、TVでドラマ化されないのも当然ってことになる」
なるほど。
「心臓外科医とかだと華麗なイメージがありそうやけど、精神科医っていうとまだ謎めいたイメージが残っていそうやし、精神疾患についてもイコール猟奇犯罪者みたいな、誤ったスティグマが払拭されていない印象もあるからねえ」
『羊たちの沈黙』シリーズに登場する精神科医・レクター博士みたいな(笑)。世間の人たちは精神科に「異常」を期待しすぎている気はします。
「あと外科や救急科の場合は、このオペで症状が劇的に治りました! とか、命が救われました! みたいに分かりやすい構図があるけど、精神科の場合はそんなに劇的な展開ってほぼ無いからねえ」
スゴ腕精神科医のキレッキレなアドバイスによって、患者さんの悩みが瞬時に吹き飛んで、生きる喜びと至高の幸福を取り戻す! みたいな展開だと分かりやすいですが、実際はそうではないんですね
「そんな展開があったら逆にコワいわ。実際には、患者さんの訴えに寄り添いながら地道に治療を続ける中で、少しずつ改善が見られるようなケースが大半やからね」
スカッと分かりやすい話が求められるTVドラマには精神科医療は不向きなのかもしれませんね。
「精神科の患者さんって異常やマイナスの部分よりも、正常やプラスの部分のほうがずっと多いんよね。何らかのハンディは抱えながらも、普通に仕事して家庭を持って余暇を楽しんで……。そういう普通な日常ドラマが登場すると偏見も小さくなっていいと思うんやけど、やっぱり世間の期待からすると視聴率的にキビシイのかなあ」
なにか私たちにできることってありますかねえ?
「以前にも言ったとおり、世間の人たちが興味を持って精神科の実際について知ってくれはる必要があるし、そのためには精神疾患についての正しい知識を子どもの頃からちゃんと学んでもらうことが大切やと思う」
その使命を先生が果たされるというのは!?
「学校とか地域から声がかかったら、喜んで行かせてもらうよ。そんな日には、ワー先生~! キャー先生~! ってもう大変やろうなあ……(遠い目)」
先生のポジティブさにはいつも頭が下がります(笑)。
乾杯~!
特集/発達障害って?(2018/10) | ドキュメント・ザ・舞台裏(2018/10) |
読まないで!?ドクターXの酔いどれ放言(2018/10) | おそと ぶらり探訪(2018/10) |