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読まないで!?ドクターXの酔いどれ放言/「医療広告のややこしさに悩む担当医」(2024/02)
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「医療広告のややこしさに悩む担当医」
〈終業後、お好み焼き屋Tにて〉
お久しぶりです。ん? 先生、以前よりもさらにスリムになってません?? ダイエットされたんですか。
「よく気づいてくれたね。実は筋トレを始めたのと、食事のバランスも炭水化物を減らしてタンパク質を増やしてるんよ」
素晴らしいです。どうしてまた一念発起されたんでしょう。
「娘の授業参観にも行くようになって、カッコいいパパであり続けたいと思ってね。最近の自己PRはもっぱら娘に対してやわ(笑)」
それなのに本日は、炭水化物たっぷりのお好み焼きで申し訳ありません。
「今日はチートデイで問題ないよ。でも日本酒は控えてハイボールにしとくわ」
〈ジャンボお好み焼きその他で、ハイボール数杯ずつの応酬に〉
自己PRといえば、当院も広報活動などのアピールを充実していけるといいですね。お忘れかもしれませんが、本誌もいちおう広報の一環ですので……。
「もっと積極的に打ち出していけるといいよね。ただ、医療業界の広告って厚労省のガイドラインが細かくて、規制も厳しいんよ」
どんな規制があるんですか?
「比較広告なんかは完全にアウトやね」
競合他社との比較はダメってことでしょうか。でも、『○○病院より当院のほうがよく治ります!』なんて広告はまず見ないと思うんですが。
「そんなのは論外として、『最新の機器を使用』とか『最善の治療を提供』とかもアウトになる」
確かに使ってしまいそうな文言ですが、どうしてダメなんですか?
「最新っていう定義自体が曖昧なうえ、機器は絶え間なく日進月歩してるよね」
なるほど。
「最善の治療というのも、日本の皆保険制度は『国民が等しく均一の医療を受けられる』ことを標榜してるから、医療レベルの差別化をアピールするのは御法度なんよ」
言われてみるとその通りですが、たしかに細かいですね。
「だから、『100%治します』とか『絶対によくなります』とか『1日で治療が完了します』なんてのもアウトやね。実際問題として、医療者にそんな確約はできないわけやから」
100%の治療を保障! とかって、世間の期待や誤解としてはあるんでしょうけれど、医療者側が使うべき言葉ではないと私も思います。
「こういう表現は、誇大広告ではなくて、虚偽広告になってくる」
ここまで言ってしまうと、虚偽なんですね。
「ちょっと話は逸れるけど、歯みがき粉のCMも、使用後の歯のイメージ画像が真っ白ではなく、歯垢を表す赤色なんかを少しだけ残してるって知ってた?」
えー、そうなんですか??
「歯垢を100%除去するのは不可能やから、真っ白にすると誇大広告になってしまう。だから各社、葛藤しながらギリギリの表現をしてるんやと思うよ」
うーん、なかなか深いですねえ。
「実際にはできないことを、できるかのように誤解させるような広告表現は、規制されてしかるべきやと思う。その一方で、実際にやっていることでも、そのまま伝えるとガイドラインに引っかかる場合があるから悩ましいよね」
当院をアピールしていくにあたって、どういう形なら大丈夫なのでしょう。
「ウチの病院は実感として、ドクターもスタッフもみんな誠実に取り組んでいると思うんよ。正直なところ、当院は京都でも■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
あー、先生ストップ! その表現って、さっそくガイドラインに……。
(当院匿名精神科医 X べるぶネオ編集部)
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