認知療法は大まかにいうと、「同じ状況に対しても、それをどう捉えるかによって、感じるストレスの大きさなどは変わってくるから、より適応的な捉えかたができるようになっていきましょう」という考えかたです。
こういった認知療法の概略を見聞きした患者さんから(ときにはスタッフからも!)しばしば言われます。「つまりポジティブシンキングってことですよね?」
違うんです! 認知療法には確かに、考えかたをポジティブにしていく側面もありますが、それはあくまでも一側面にすぎず、認知療法の本質的な部分ではありません。
そこで今回は、認知療法の本質はどこにあるのか? ポジティブシンキングとどう違うのか? …このあたりについて思うところを書いてみることにします。