べるぶネオ
読まないで!?ドクターXの酔いどれ放言/「新型コロナに奮闘する担当医」(2021/02)
特集/認知症ケアの現場から(2021/02) | ドキュメント・ザ・舞台裏(2021/02) |
読まないで!?ドクターXの酔いどれ対談(2021/02) | おそと ぶらり探訪(2021/02) |
「新型コロナに奮闘する担当医」
先生、パソコンの画面越しですがお久しぶりです。この記事の取材もとうとうオンラインになってしまいました……。
「新型コロナの感染リスクを最小限にするためには、我われも店で飲むわけにはいかないからねえ。ま、オンラインで乾杯しよう!」
ハイ、乾杯~♪ 私はミックスナッツを肴に、ビールいかせていただきます。
「僕は焼き鳥の缶詰で、焼酎の水割りいくわ。乾杯!」
それにしても世の中、どこも新型コロナで大変な状況ですが、先生はどうですか?
「やっぱりタイヘンやねえ。みんな気をつけているとは思うけど、自分は医療従事者だけに、一般の人たちよりさらに気を使ってるよ」
どんな風に気を使ってはりますか?
「マスクに手洗い、うがい、換気は基本やけど、帰宅途中は寄り道しない、人混みには行かない、会食もしない、自宅でしっかり食事を摂ってぐっすり寝る、という感じかなあ。生活スタイルは本当にガラッと変わったね」
私の知っているこれまでの先生は、細かいことには頓着しない、仕事帰りは本屋か飲み屋、にぎやかな場所も夜の街も大好き! でしたから、ほぼ正反対ですね(笑)。 「まさに人間風見鶏や! って我ながら思うわ」
職場での影響はいかがですか?
「まず、入院中の面会ができなくなって、患者さんのご家族も病棟に入れなくなったよね。ご家族としては患者さんの様子が心配やし、患者さんのほうも家族に会えない不安から症状が募る可能性がある」
そんな中、どのように対処してらっしゃるんですか?
「スタッフも患者さんの状態をできる限りご家族に伝えるようにしているし、差しさわりのない範囲で電話してもらってる。実際に姿を見たいという場合には、病棟のガラス越しに会ってもらうこともある。ただ、外出や外泊も難しい中で退院に向けた調整をしていくのは、けっこう頭の痛い話なんやわ」
退院に向けて段階的に力試ししていただく、というのが難しくなっているんですね。
「加えて、ある患者さんが退院後に入る予定だった施設でコロナが発生してしまうと、そこの受け入れもストップしてしまうから、患者さんが退院できなくなってしまう。すると、ウチの病院の入院受け入れキャパも小さくなって……という玉突き現象が起きるんよ」
そうなんですか。ちなみに外来の患者さんへの影響は?
「コロナが心配で来院を控えたいというケースもあるし、体調不良や流行地滞在等のため来院を控えていただくケースもあるしで、外来に来られない患者さんが増えてる。そういう場合は電話を用いた診察を行って、ご本人がいつも利用している薬局にこちらから処方箋をFAXして、薬を受け取ってもらうことが多いね」
患者さんもドクターも、お互い苦労されているんですね。
「それ以外のスタッフへの影響も大きいと思うよ。今年度は歓送迎会すらやってないし、新人さんの顔と名前がいまだに一致しない。みんなマスクしていて目しか見えないから、そもそも顔が分からへんのやけど(笑)。歓迎する気持ちはあっても、それを形にできないのがつらいね」
短期的に収束するとは考えにくいコロナ禍、この先どうしていくのがいいんでしょう……。
「必要以上に怖がるのもよくないし、まったく怖がらないのもよくない。ウイルスって目に見えない恐怖やけれど、正しい知識を持って、正しく怖がってほしいと思う」
私たちも今回のコロナ禍を正しい学びの機会として、今後につなげていけるといいですね。
「新しいウイルスの流行はこれまでにもあったし、これからもきっと起こることやからね。どんどん変異していくのがウイルスの生存戦略というか、ウイルスって生命と非生命の間みたいな存在で、目的があって変異したり感染したりしているわけではないんやろうけれど……あっ、洗濯機の終了ブザーが鳴ってるわ。すぐに干さんと妻の機嫌がナナメになるから、今日はこのへんで失礼してええかな??」
承知しました。飲み会しながら家事をこなせるのも、オンラインの長所ですね~!(笑)
(当院匿名精神科医 X べるぶネオ編集部)
特集/認知症ケアの現場から(2021/02) | ドキュメント・ザ・舞台裏(2021/02) |
読まないで!?ドクターXの酔いどれ対談(2021/02) | おそと ぶらり探訪(2021/02) |