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【BUCきょうとメンバーブログ】第92回【不安と上手くお付き合いする方法】

2020年6月 4日 (木)

 皆様、お初にお目にかかりますジュン満願郎と申します。突然ですが皆様、今何か不安はお持ちでしょうか?現在のご時世に鑑みると、誰もが不安を持っていて当たり前のような気がします。不安を感じるというのは、何となくマイナスなイメージがあります。それは、恐らく不安という感情が、身や心に迫ろうとする脅威を感じ取った際に出る、反射的警告であるからだと考えます。何かに自分が脅かされそうに感じるのは、少なくとも気持ちの良いものではありません。一方で、不安を全く感じ取れない場合、それらの脅威に対処することができなくなるため、やはり無くてはならぬものであるとも考えます。

 少し話が逸れてしまいますが、私がこちらにお世話になっているきっかけは、うつ病を発症したためです。私にとってこの病の最も恐ろしい所は、「今まで当たり前のようにできていたことが出来なくなる病である」という一言に尽きます。その中でも、「不安を解消できず、漠然と延々悩みすぎること」は、中々に辛いものでした。四六時中、その事柄の悪いイメージがぐるぐると引っ切り無しに思い浮かび、抜け出せなくなるのです。

 では、どうしたらそんな不安と上手く付きあうことができるのでしょうか?

 これは、あくまで私の場合ですが、それは不安を含めた感情への理解にありました。そもそも、不安は何によって、もたらされるのでしょうか?自分以外の人や自然、自分が関わりを持つものから直接的には関係のないものまで、様々考えられると思います。しかしながら、どんなものであってもそれを不安に思うのは自分であり、その不安という感情は他人のものではありません。不安以外もそうですが、自分自身の感情とは、自分だけのものであり、それを想起するのは自分以外の何者でもないのです。これは、考えると当たり前のことなのですが、私にとっては天啓のようなものでした。つまり、不安から自分を苦しめているのは、他ならぬ自分であったのです。これに気づくと、自分が自分の首を絞めて、勝手に唸っているというかなり滑稽な映像が思い浮かび、随分と気が楽になりました。

 不安を感じることは良い悪いではなく、必要な事だと思います。しかし、不安とばかりデートしては、身も心も持ちません。時には、こっぴどく断っても良いのです。何故なら、不安とは離れられない仲であり、ずっと付き合わなければならない伴侶の1人であるとも考えられるからです。

(ペンネーム:ジュン満願郎)

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