京都市 下京区 心療内科 精神科 メンタルクリニック カウンセリング 復職トレーニング専門デイケア

お知らせ

【BUCきょうとメンバーブログ】第68回:「“いきものがかり”のメンバーになって」

2019年7月 4日 (木)

バックアップセンター・きょうと(以下BUC)では、復職に向けた各種プログラムを受けるだけではなく、まるで小学校のようにいろんな“係”があり、利用者自身が“自主的に”BUCの運営に携わっています。「図書・掲示板係」、「情報発信係」、「朝礼・BGM・名札係」など、聴いているだけで気恥ずかしくなるのですが、中でも一番気恥ずかしいのが「生きものがかり」ではないでしょうか。

こちらに通所することとなり、初日にスタッフの方からオリエンテーションを受けるのですが、係活動のことは触れられていませんでした。けれども毎日のようにいろんな係活動が行われ、掲示板にも参加募集の張り紙が貼ってあるので、そのような活動が行われていることはすぐに分かりました。とはいえ、初めの頃は、BUCに通うこと自体に恥ずかしい気持ちがあり、その上に「“係活動”をやるなんてあり得ない」と思っていました。
 
ところが、しばらく通ってみると、所定のプログラムをこなしているだけだと、他の利用者の方と話をする機会が少なく、行って帰っての繰り返しの毎日になっていました。一方、係活動をされている方々は、「やらされ感」もなく、ときおり笑いも交えながら活動を行っておられたので、なんとなく興味が湧き、何かやってみようかなと思い始めていました。その頃には、気恥ずかしさよりも、楽しい輪にはいってみたいという気持ちの方が勝ったようです。今から振り返ると、行動することで少しでも前向きな気分になってきたのかなと思います。
 
次の日、掲示板の募集を見て、「生きものがかり」に応募しました。BUCには、入ってすぐに大きな水槽があり、メダカやドジョウ、テトラやモーリーといった水棲生物が泳いでいます。私は、水族館に行くのが好きで、ボーっと眺めているだけでも飽きないので、「どうせやるなら楽しめるものがよい」、また、「仕事としては楽そうだな」、というイメージもあって、「生きものがかり」を選びました。
 
係の一番の仕事は、週に一度の水の入替え作業です。ポンプを使っての水抜き、水槽掃除と水道水のカルキ抜き、など、数名のメンバーが協力して作業を行います。古参のメンバーや私と同じ初心者の方、皆で力仕事や濡れ仕事など分担して手際よく進めます。たまには水草を剪定したり、ちょっとしたレイアウト変更をしたりして、楽しんでいます。30分程度の作業が終わったあと、気持ちよさそうに泳いでいる魚やエビを見ていると、ちょっとした達成感に浸れます。
 
世間ではアクアリウムの癒し効果にばかり注目されがちですが、実際に参加してみて感じたことは、休職するととたんに人間関係が狭くなるので、魚だけではなくヒトとも触れ合えるよい機会になった、ということでした。これからも第一印象で尻込みするのではなく、少しずつ新たなことにチャレンジしていければよいなと思っています。

Dsc_0401

Dsc_0410

(ペンネーム:イエ猫イチバン)

このページのトップへ