京都市 下京区 心療内科 精神科 メンタルクリニック カウンセリング 復職トレーニング専門デイケア

お知らせ

【BUCきょうとメンバーブログ】第67回:「ファミリー・ミーティング実行委員を経験して」」

2019年6月20日 (木)

休職することになった当時、私はあらゆることに疲れ果ててしまっており、何もしたくないという気持ちを強く持っていました。BUCへの通所を開始した頃でさえ、表向きは「復職を目指している」とは言いながら、仕事のことを思い出すだけでつらい気持ちになり、働きたいという気持ちなどもう二度と湧いてこないのではないかと感じていました。そんな状態だったので、BUCへの通所開始当初にプログラムとして実行委員を経験すると説明を受けたときも、仕事の業務とやや重なる部分を感じ、「そんなことやりたくない」と感じたのを覚えています。

通所開始から1年以上経過してファミリーミーティング実行委員に指名されたときにはさすがにもう少し意欲は回復していましたが、それでも「めんどくさいなぁ」というのが正直な気持ちでした。
 
実行委員の作業を開始すると、準備期間の余裕があまりない事もあって夢中で作業を進める毎日でしたが、あるときふと自分が「楽しいな」と感じていることに気付きました。二度と仕事などしたくないと思っていた自分が、周りの人と協力して何かを創り上げていったり、一つひとつの作業を進めていったりということに楽しさややりがいを見出していることに驚きましたが、そういえばもともと“働く”ということ自体はそんなに嫌いではなかったことを思い出しました。
 
実行委員での作業は私の本業での業務と似ているものも多く、「仕事のときはこうしていたから今回もこうしてみたらどうかな」とか、「仕事ではもっと複雑な手順を求められたので、それに比べるとそれほど大変な作業でもないな」というように、自分の仕事のことを思い出して比較しながら作業を進めることにもそれほど苦痛を感じませんでした。それどころか、そうして思いついたことを同じ実行委員のメンバーに提案し、その案を取り入れてもらったり、いいアイデアだとほめてもらったりすることで、少しずつ自信を取り戻してこられたようにも思います。
 
まだ復職への意欲が充分に高まったとは言い難いですが、今回の実行委員の活動を通して、働く喜びや楽しさといったものを少しでも思い出せたことは私にとって大きな収穫だったと感じています。ここに至るまでおそらく人より時間がかかったように思いますし、復職を果たすまでにはまだまだ越えていかなければならない課題もたくさんあるとは思いますが、焦らずに自分のペースで進んでいければと思っています。

(ペンネーム:N.M)

このページのトップへ