おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2022年5月 1日 (日)
月刊きょうと/フラダンス&ハワイとの出会い(2022年5月)
今月はALOHAさんが十年以上の経験を持つフラダンスについて書いていただきました。「フラダンス」って、厳密にいうとそういう意味になるのね!という発見もありのエッセイです。
今回は、私が十数年間習っていたフラダンスについてお話しさせて頂きたいと思います。
フラダンス。「フラ」という語源は、ハワイ語で「踊る」という意味があります。ですから、実際はフラダンス(=踊る踊る)となるため、フラダンスとは言わず「フラ」と呼んでいます。フラはその昔、まだ文字を持たなかった原住民が火山の噴火などの自然災害やその時々に起きたことを後世に伝えるために、身振り手振りで踊り伝える。というのが、そもそもの始まりでした。今では、綺麗なドレスに身をまといウクレレなどの演奏と歌声に合わせて踊られているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。それは「アウアナ(現代フラ)」といわれるもので、本来のフラは大きなひょうたんのような打楽器で、踊り手自らがチャント(詠唱)しながら踊る「カヒコ(古典フラ)」といわれるものです。カヒコは本当に迫力があり、始めて見た時はその迫力に感動したのを今でも覚えています。
では、私がフラを始めたきっかけは・・・
カヒコを見たわけではなく、自宅ポストに入っていた一枚のチラシをみたからです(笑)
当時、運動不足解消に何か運動と、あと、習い事をしたいと思っていました。そんな時に一枚のチラシを見つけたのです。「全五回で一曲マスター」と書かれており、「これは一度行ってみよう!」と思ったのが始まりです。最初は楽しいとは程遠いものでしたが、全五回終了後、断ることができず、なんとなく続けてみることにしました。続けていくうちに「先生のように上手に踊れるようになりたい」という気持ちが出現し、自宅でも練習をしていたのが今となっては懐かしい思い出です。一つ一つのステップとハンドモーションを覚えていくうちに楽しくなり、いつの間にかハワイ語の勉強をするようになり、フラを通じてハワイにも魅了されるようになりました。
では、突然ですが、皆さんハワイはお好きですか?一度は訪れたい場所ですか?
私は十代後半から二十代前半まで、ハワイに魅力を感じず、行きたくない場所№1でした。その理由は単純に暑いからでした。当時、スノーボードをしていた私は、夏が嫌いで、旅費を払ってまで何故、わざわざハワイに行くのか?お正月になると、芸能人がハワイを訪れている映像をワイドショーで見るたびに不思議でなりませんでした。ハワイ=ワイキキビーチとのイメージが強かった私は、特にゴミゴミした感じが嫌でした。そんな私が、フラを通じてハワイが大好きになりました。カラッとした暑さに陽気なハワイ人。オアフ島でもワイキキを少し離れると自然が多く残っており、美しい空と海。「食べず嫌い」ならぬ「行かず嫌い?」でした。
今、フラとハワイについて書かせて頂き、改めて思い込みって怖いなと感じています。フラを始めていなければ、私は今でもハワイに対して勝手なイメージを持ち、毛嫌いしていたと思います。また、五回のお試しレッスンで辞めていたら、フラの楽しさや本質のようなものも知ることが無かったと思います。どんな些細な事でも、続けることの大切さと一歩踏み出す勇気が必要なことを思い出させて頂きました。