おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2022年1月 1日 (土)
月刊きょうと/「ゲームを楽しめない 」(2022年1月)
今回はメンバーのぷりんさんに、「ゲームを楽しめない」を執筆いただきました。
年齢を重ねるごとに心身ともに変化していくことを、アラフォーになり実感している毎日です。そんな変化の一つに、ゲームを楽しめなくなってきたというものがあります。子供の頃は熱中して遊んでいたし、二十代でも休日に十二時間遊んでいたこともありました。それが、年を重ねるごとに時間も回数も減ってきたのです。
なぜ楽しめなくなったのかを考えてみると、まず“時間の無駄に感じる“というものがあります。”このゲームをクリアしたところで人生の役に立つのだろうか“と考えてしまうのです。大作だとクリアするのに六十時間以上かかることもあり、まず始める前に心が折れてしまうのです。
二つ目は、新しいシステムや操作を覚えるのが面倒くさいということです。新しい事を始める時は、覚えて慣れるまでの試行錯誤には多くのエネルギーが必要ですが、そのエネルギーが自分に足りないように感じて尻込みしてしまうのです。
では、子供の頃はなぜ楽しかったのかと考えると、遊びが限られていたことや技術の進歩が目まぐるしくてゲーム自体が大きく進化していたこともありますが、何より他の事は考えずにゲームの世界に入り込むことができていたからではないかと思うのです。そして、難しいゲームをクリアした時の達成感や成長感覚が嬉しかったのではないかと思います。
最近はというと、将来についてばかり考えたり、すぐに結果を求めたり、無駄なことを嫌ったり面倒臭がったりすることが多くなっているように思います。そうして、何をするにしても考え込んでしまって行動に移せなくなっていました。
新しいことを始めるのは時間やエネルギーが必要ですが、かといって本当に自分が楽しめるのかがわからなかったりして、最初の一歩が踏み出せないこともあります。しかし、そうして動かないでいると新しい楽しさも見つけられないのです。ですから今は、“するか迷った時にはする方を選ぶ”ということを心掛けています。また、無駄な経験は無いということも自分に言い聞かせています。そして、今を楽しむということが大切だと思います。過去や将来についていくら考えてもわからないのだから、今を意識して生きるようにしています。
休職してBUCに通うときも、通所が自分にとって何の役に立つのかはわかりませんでした。しかし、何か一つでも得るものがあればいいやという気持ちで通所することにしました。いま出来る事を一つ一つ行っていき、半年ほど通所した今はBUCに通所して本当に良かったと感じています。毎日、自分の感情を振り返りながら生きることで、日々の中に楽しさが埋もれていたこともわかってきました。また、自分にも一歩を踏み出す力がある、一歩を踏み出すことで何かが変わるということを実感できています。これも、一歩を踏み出して今を意識しなければ出来なかった体験だと思います。
ゲームはというと、今を楽しむことを意識するとまた楽しめるようになってきました。しかし、それ以上に新しいゲームを探して買うことの方が楽しくて、積みゲー(買ったけれども遊んでいないゲーム)が増えていっています。