おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2021年8月 1日 (日)
月刊きょうと/「変わることは楽しい」(2021年8月)
今回は、メンバーの片栗粉さんに「変わることは楽しい」という題名でエッセイを執筆していただきました。
私の病歴についてと、BUC(バックアップセンター・きょうと)でのことについて書かせていただきました。
私は休職としては、今回が二度目です。1回目は家庭不和がきっかけです。夜もあまり眠れないまま仕事に行っていました。休職は、私が決意したものではなく、妻に「休め」と言われたからです。それまで家庭での時間をほとんどとらずに仕事ばかりしていたので、開き直って実家で休養していました。ただ、家庭不和は改善されず、家でゴロゴロしていただけで4カ月が経ち、そのまま復職しました。
復職したら一人での生活が始まりました。仕事で積み上げてきたもの、家庭など、全てを失ってしまったような絶望感を抱えながら、やりがいも感じられずに仕事を続けていました。復職して10カ月後の冬に、定期的に会っていた息子にも会えなくなり、生きていく意味を見いだせなくなり、仕事を休みがちになり、また休職することになりました。これが今回の休職の始まりです。ゴロゴロしたりして時間が経過すれば復職できる、と思っていました。ですが私の生活リズムはめちゃめちゃで、休職して8カ月くらい経ったころに、黄檗病院の先生にBUCを勧められました。予定ではあと3か月で復職というタイミングでした。
当初はBUCでの活動は苦にならなかったです。これは様々な方がいらっしゃると思うのですが、私自身は朝起きることも、課題図書の読書要約をしたりすることは楽なことでした。どうせ3カ月でやめるし、自分はストレスに対応できるようにさえなれればいいと考えていました。ですが、プライベートでの悩みやトラブルは改善されず、そのことばかり考えている自分がいました。その時、このまま復職してもまた同じことを繰り返すと思ったのです。作業能力等に問題はなくても、自分の思考や考え方はかなり偏っていると感じました。結局、休職期間を延長し、もう少しBUCで勉強しようと思いました。
ステージも上がり、色々な課題やプログラム、係のリーダーなどをするようになり、BUCでの活動にやりがいを見いだせるようになってきました。しっかり勉強して復職するんだと決めてから、一つ一つの課題に対する見方も変わり、自分と向き合えるようになってきていることを感じました。
メンバーさんも顔見知りの方もかなり増えて、色々な方とお話する中で学ぶこともたくさんありました。皆さんとても自分と向き合っていらっしゃるイメージを持ちました。スタッフさんは、困った時はいつも丁寧に、そして時には厳しくご意見もくださります。これもそれぞれのとらえ方次第だと思いますが、その言葉に最初戸惑うこともありましたが、職場ではそういったご指摘をしてくださる機会はないし、自分のために言ってくださっていることに感謝し、成長したいと心から思えれば戸惑いはなくなりました。
色々な係や会議、実行委員も経験しましたが、その中で、私自身の人間関係に関わる特性も再認識することができました。復職するのなら、よりよい自分に変わって復職したいとも思えることができ、対処法を作成し具体的な方策も見えてきました。それに気づかせてくださったメンバーさんやスタッフさんにとても感謝しています。
私は現在、復職準備ステージで、BUC卒業が近づいてきましたが、それは終わりではなく「始まり」です。前みたいに戻るのではなく、新しい自分になって復職というスタート地点に立ちたいと思います。