おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2021年2月 1日 (月)
月刊きょうと/「トレイルランニングの勧め」(2021年2月)
今回はメンバーのビッキーさんが、トレイルランニングについての思いを書いてくださいました。
私はジョギングを趣味にしています。ジョギングには、フルマラソン、ハーフマラソン、10キロロードレースなど様々な種類のレースがありますが、その中でお勧めしたいのが、トレイルラニングです。
トレイルランニングとは、登山道等の山道を徒歩でなく、ランニングで駆け回るスポーツです。山道は、アスファルトの上とは違い、路面が安定していません。砂利道、林道、急斜面などを走ることがあります。また、アップダウンが多く、山頂まで登りが続くこともあれば、下りが続くこともあり、身体全体に負荷のかかる刺激の強いスポーツです。
魅力は、多くありますが、挙げるとすれば、走り終わった後の爽快感です。1歩1歩集中しながら進むことで、あっとう間に1時間、2時間と時間が経っていきます。また、自然のにおいや音、景色を見て、様々な刺激を感じ、心安らかになります。私は平均3時間で25キロ程度ですが、猛者になれば、7~8時間50キロを走っている人もいます。1日中、山の中を走り回っている、ということです。マラソンよりも時間が経つのが早く、地面が柔らかく、ロードよりも足への負担が少なくて済むため、長い距離を走ることができます。
私のおすすめは、大文字山を登山した後、爪生山を越えて、比叡山に登るコースです。大文字は緩やかな坂で登りやすいです。山の頂上から京都市街を一望してから、下山して爪生山に向かう。ここからは、急な登りが多く、大変汗をかいてしまうのですが、標高はそこまで高くないので、我慢。山頂に着けば、そこからはアップダウンはあるものの、平坦な道が続く。私はこのコースが好きです。走りやすく、横目に京都市街が見えます。登山客とすれ違い、こんにちは、とお互いに挨拶。爽やかな気持ちになります。比叡山登山は、岩の多い道が続きます。ここは無理せずにコツコツと登っていきます。頂上は簡単に見えないですが、1歩1歩を着実に進みます。景色が開けてきたら、山頂近くに到着。そこから見る、京都市街は絶景。天気が良いと、大阪方面を確認することができます。ここで持ってきたコーラを飲み、おにぎりを食べるのが私の日課となっています。コーラは、喉への刺激が何とも言えない。おにぎりはいつもよりも美味しく感じます。
私は、症状回復のために、特にこのトレイルランニングをお勧めします。途中で歩いても構いません。頂上を目指すことに集中することで、あっという間に時間が経ち、何も考えずに登り続ける。登っている途中に様々な考えが思い浮かびます。あの時こうすればよかった、自分はなぜこうなのか、と自問することがあります。ただそういう気持ちがでるのは当然で、意識を身体に向けて、登り続けます。頂上についた頃には、考えていたことが大きい問題ではないことに気づきます。登り切った後は自信が溢れ、考え方に変化が出てきます。身体に負担のかかるスポーツですが、ウェアやバッグがあれば始められますので、初期費用も少なくてすみます。
BUCの課題図書にも、症状回復のために有酸素運動が有効である、との考えが示された図書がありました。経験者としては、効果を感じていますし、走っている最中はマインドフルネスに近い状況であると感じています。
自分に合うものを選ぶのが1番だとは思いますが、対処法として何かを試してみたい、と思っておられる方はぜひ!