おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2019年11月 1日 (金)
月刊きょうと/「芸術と私」(2019年11月)
今回はメンバーのFさん(男性)に、書道の魅力についてご紹介いただきました。
巻頭エッセイを依頼されて、なにを書こうかと頭を悩ませていたところに、今月のお題は「芸術と私」……、私は思い出しました……子供の頃に書道を習っていたこと、その影響で高校の芸術の選択科目でも書道を選択していたことを!
当時のことを思い出しながら今月のお題の記事として書こうと思ったのですが、どうも長くなりそうなのでこの話は巻頭エッセイの記事にしようと思います(笑)。
それではさっそく……私が書道を習い始めたきっかけは、書道教室の場所が自宅だったからです。といっても身内に書道の先生がいる訳ではなくて、近所に書道を教えておられる方がいて、これまた近所の子どもたちに教える場所として我が家を提供していたのです。自分から習いたいと言ったのかそうでないのかはよく覚えていません!
ともあれ、そんなこんなで5年程、書道を習っていました。子ども書道の段位も持っていたと思うのですが、残念ながらもうきれいに書くこともできないほどに忘れてしまっています(泣)。
書道にはさまざまな書体がありますが、私は崩して書くような書体が好きです。そのきっかけは高校の授業でした。
書道を習い始めた当初は、楷書体といったきっちり書く書体を習っていましたが、高校の授業で行書体や草書体、隷書体(れいしょたいと読みます)といった書体を書いていくうちに、なぜだかそういった崩して書く書体を書く方が楽しいと感じていたのです。
なぜだかはわかりません(笑)。それぞれの書体がどんなものか気になった方は調べてみてください。
そのおかげかペン字の方も妙に崩して書いてしまうクセがついてしまいました。
ちなみに、書道を習っていましたがペン字は上達しませんでした。ペン字や筆ペンで書く字を上手に書けるようになりたいのなら、書道ではなくペン字講座や筆ペン講座を受けたほうがいいと個人的には思います。筆の扱い方も、メインの文字を書く大きめの筆と、名前を書く小筆で扱い方が全然変わってきますからね。(私は小筆の扱いが苦手でした。)
結局、それぞれの筆やペンを使って、上手に書く意識を持って練習したり、講座を受ける以上に、上達への近道はないのかもしれません。
話は戻りますが、高校の授業では、古典や歴史の授業に出てきそうな書物の一部を書き写すといったことや、自分の名前を彫った落款印(らっかんいんと読みます)を作ったりもしました。
書物を書き写す授業では、お手本となる原本の書き間違いもちゃんと書き写すという凝った内容の授業だったのを覚えています。
落款印は自分の作品に押すハンコの事です。今思えば授業といえど、なかなか内容がしっかりしていますね。思い出すと懐かしくて感慨深いものを感じられます。それらの作品は個人的にも出来がいいなと思ったのでまだ保管してあります(いつかプレミア物になる日が来ないでしょうか?)。
この記事をお読みの皆さんも、機会があれば筆を持って、一筆書いてみてはどうでしょうか?