おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2018年7月 1日 (日)
月刊きょうと/「ベランダの鉢植え」(2018年7月)
今回はペンネーム佐田大介さん(男性)に、自宅の鉢植えについてご紹介いただきました。
窓際に植えたゴーヤの苗は生命力が旺盛だ。日に日に伸びているのが分かるほどである。
同時期に植えたキュウリは花を咲かせ、イモも葉が繁茂して成長を早めている。
冬にブドウの苗を植えたのであるが、春になって一房だけ花を付けた。実には成らないだろうと期待はしていなかったのであるが、今はブドウの実らしく房になっている。時折やってくるヒヨドリが狙っているようで、袋をかける等しなければ横取りされそうである。
ベランダの西側の部屋との間の非常扉の上がヒヨドリの縄張りのようで、そこに止まってさえずっていることがある。ちなみに東側の非常扉の上はスズの領域で、鳥達もそれぞれ住み分けているようである。
殺風景なベランダを変えたのは一鉢の紅梅だ。
12月のある日、ホームセンターで何故か目に留まった、一度は引き返したものの何かに導かれるようにその一鉢を購入してしまった。
紅梅があれば対で白梅だろう。
「松竹梅」ということで、松の盆栽を買い、竹は音羽山の竹藪から頂いたが枯れてしまった。
「梅松桜」ということで、桜も購入してしまった。
水仙、椿、桃、牡丹、サツキ、バラ、宿根カスミソウ、ナデシコにオキザリス、芍薬と福寿草は花を付けることなく枯れてしまった。
食料の方では、スーパーで買ったネギの根元を残してプランターに差し込んでみた。育つもので、以来ネギは購入していない。
寒い冬の時期を我慢して段々蕾を膨らましていく姿に癒され、興味が湧いてきた。
まずは、水仙が花を咲かせ、梅が花開いた。
梅の花に春を感じる感性には納得できる。
暖かくなると次々に花を付けてくれる。何だか嬉しくなるものである。
プラスチックのプランターでは味気ないと思えて煉瓦ブロックを購入して囲い花壇らしい趣きになったと一人悦に入っている。
プランター、鉢の良い所は、花木の状態に合わせて好みの場所に位置を変えられるところだろう。
花の季節、花の咲く方向(どうしても陽のさす外側に向かって咲く)に合わせてコチョコチョとプランターを動かすのも楽しみである。
一つの花に目が行っている間に、いつの間にか違う花木が成長、変化していることに気づくと嬉しくなってくる。
今は、ナデシコにオキザリスとバラ、小さなピンク色の雑草がしぶとく花を付けている。これからは、ゴーヤ、キュウリとイモで緑のカーテンとなって繁っている姿を目に浮かべて期待を膨らましている。
秋は、「花見に一杯、月見に一杯」ということで、菊を植えようか? ススキは冬に山科川の河原で頂戴した株から芽が出てきている。
もう少し手遅れかもしれないが、秋と言えばコスモスかな? と考えている今日この頃である。