おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2017年4月 1日 (土)
月刊きょうと/「涙を流して心のデトックス」(2017年4月)
今回はおたべをお食べさんに、泣いて涙を流すことの効用について書いていただきました。
皆さんは、「涙活(るいかつ)」ってご存知ですか? 能動的に泣くことでストレス解消を図る活動のことです。
人間の自律神経は涙を流すことにより、緊張や興奮を促す交感神経が優位な状態から、リラックスや安静を促す副交感神経が優位な状態に変化するそうです。よって、たくさん涙を流すほどストレスが解消し、心の混乱や怒り・敵意も改善されるのです。
ストレス解消に効果があるのは、感動による涙です。映画などを見て登場人物に共感することで流す涙は、多くの感情を蓄積させて泣いているため効果が大きく、ストレス緩和効果が絶大です。また、ストレスがたまっている状態では呼吸が浅くなっていますが、泣くことにより呼吸を整えたり筋肉を緩めたりして、緊張をほぐすことができます。
涙活はこんな人にオススメです。
(1)ストレスのせいか、最近眠れない。
(2)日々忙しく、イライラしたり緊張がとれない感じがする。
(3)悲しいことがあってから、涙が出ない。もしくは、よく泣いているが、気持ちが晴れない。
(4)大事なプレゼン・試合があるので、本番前に集中力を高めたい。
しかし、多くの男性は「泣く」ことに抵抗があるのではないでしょうか。特にミドル世代の方は「男は泣くな」と言われて育った方が多いでしょう。しかし、心を開放して泣くことで不安や不眠・緊張・イライラに囚われている状態から脱却できる可能性が大きいのです。試してみる価値は大きいでしょう。
私も、リワークにたどり着くまで、何ヶ月も辛い記憶と悲しみに囚われていました。家族の前で泣くこともできず、ずっと我慢していましたが、なかなか良くならないので、「これは思いっきり泣くしかない」とある日思いつき、大好きな中島みゆきさんのフイルムコンサートに行きました。映画館の暗闇の中で、感動的な歌を聞きながら2時間思いっきり泣き続けた後、私の体は疲れながらもスッキリした感触がありました。
涙活のポイントは次の通りです。
(1)分かりやすい内容を選ぶ。家族愛や恋愛映画、子どもの頃から見慣れたアニメも良い。
(2)泣くことは繊細なことなので、環境作りが大切。部屋を暗くし、携帯の電源を切って、お気に入りの飲み物を用意してみる。
(3)次の日が休みになる日にゆっくり時間を取る。
(4)映画館に行ったり、DVDを借りたりする時間のない人は、スマホで見られる動画が取り組みやすい。
「笑う」こともストレスに有効ですが、「感動して泣く」ことは更に有効で、数日分のストレスを和らげるそうです。皆さんも心にしみて泣ける映像や音楽に触れてみてはどうでしょうか。