おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2016年7月 1日 (金)
月刊きょうと/「英会話、はじめました」(2016年7月)
今回は利用者の冬つららさん(男性)に、英会話学校に通い始めたエピソードについて書いていただきました。
自分でも意外な「英会話教室に通い始めた」事を書きたいと思います。
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何が意外か、私は英語が苦手で大嫌いだからです。学生時代は赤点続きで、留年しなかったのが不思議です。その点数も穴埋めを「to」で埋めて偶然に正解になっただけ…。
予備校のおかげで、何とか大学に合格しましたが、在学中は変わらず超低空飛行。
院試も英語を終えたら、逃げるように帰宅しました。案の定あまりの悪さに教授が私を探してました。きっと教授に捕まったら、凹んで院試に落ちただろうと思うと今でもゾッとします。
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さて、話はグッと飛びますが、新婚旅行にイタリアに行きました。思うに、これが私の心に火をつけたと思います。英語なら何とか通じたので、あちこちで英語の会話を試みました。文法の正しさは置いといて、意外と意思の疎通ができたのです。
これが、めっちゃくちゃ面白く、大げさかもしれませんが、外国人との「ファース・トコンタクト」に感じました。その興奮は言葉では表せないほどでした。特に地元のスーパーの店員さんと話せた時は「俺って英語喋れる?」と勘違いしたほどです。
そんな気持ちを持って帰国しましたが、忙しさを言い訳に、面倒くさがりの私は英語から遠ざかった生活を長く過ごしていました。
その後、一人暮らしで時間に余裕ができ、BUC通所中に京都駅で外国人を見かけるようになると、「外国人と話したい」と言う気持ちに再び火がつきました。しかし、道行く外国人にいきなり話しかける勇気は流石にありません。
そこで、外国人とスマホでチャットを始めました。チャットでは時間をかけたり、辞書を使ったりと、マイペースで会話ができるのが良く、そのうち毎日話せる友達もでき、口語も覚え始め、お互いの国の事や身近な話題も話せるようになりました。
そんなある日、馬刺しが話題になりました。相手からは汚い言葉で「日本人は異常だ」と、「犬や馬はペットて、肉なら牛や鶏を食べればいい」と言われました。なんとか「犬も牛も動物で、国で習慣が違うだけ」を伝え、「日本に複雑な感情を持った」くらいで収まりました。しかし、もっと丁寧に説明しないとと思いながらもその場は終わりました。しかし、言いたい事を丁寧に詳しく伝えられない「もどかしさ」がシコリのように残りました。さらにチャットするほど「面と向かって話せたら、もっと楽しいだろうな」と言う気持ちが高まっていました。
近所に教室があるのですが、中々踏み切れませんでした。チャットは文法が間違っても意思の疎通ができましたが、教室では正しさが求められ、自分の未熟さをに気づき、また英語嫌いになるんじゃと言う不安が頭から離れなかったからです。そんな私の背中を押してくれたのが、復職自主会でした。BUC後の時間の使い方で英会話教室の話しをしたら、なぜか「始める」流れになり、後日報告する雰囲気で終わりました。そこで、その日のうちに勢いで入会してしました。今は追い込んでくれた事に感謝・感謝です。
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まだ始めて1ヶ月半ほどですが、思い憧れていた英語で話す楽しさを感じられ、あれほど嫌いだった英語を学ぶことが楽しくって、楽しくってたまりません。
それは、「英語」が単なる1教科から、狭かった私の世界から飛び出るための「扉」を開ける「魔法のことば」に変わったからです。
みなさんも何か新しい「扉」を開けて見ませんか?