おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2015年10月 1日 (木)
月刊きょうと/「イタリアの魅力」(2015年10月)
今回は利用者の海外大好きさん(男性)に、イタリアの魅力についてて書いて頂きました。
私は10代のころ、「アメリカが、外国のすべてである。」という大変浅はかなイメージを持っていた。私が初めて行った海外は、アメリカ西海岸の代表都市ロサンゼルスであった。ミーハーな気持ちでハリウッドやロディオドライブなどを巡った。私の海外渡航遍歴は、アメリカ西海岸を皮切りに始まった。20代前半までは、アメリカは私にとって聖地といえる場所であった。しかし30代に近づくにつれて、アメリカの歴史が単調で面白味の無いものに感じられ、この国への興味が薄れた。それに対してヨーロッパであるが、歴史は非常に奥深く、戦争など長期にわたる色々な紆余曲折を得て、現在のヨーロッパを形成している。それに加えて、魅力的な観光名所も各々の国に多く存在する。
自分とヨーロッパの関わりを記すと、20代から30代前半にかけて、「日本から遠い場所に、若いうちに行っておこう。」と思い、休みごとにヨーロッパ旅行に出かけていた。どのヨーロッパの国も観光地が本当に多く、1回の旅行期間が1週間程度だと、行ける場所も限られる。しかし、あきらめなかった。1日にスケジュールをぎっしり詰め込んで、観光地を訪問した。そんな感じでヨーロッパには結構旅行したが、私が一番好きな国はイタリアである。
イタリアは、食文化をはじめ、建築物や田舎の牧歌的風景など興味が尽きることはない。私は3回イタリアに訪れているが、何回行っても新たな発見がある。イタリア人も興味深い。ジローラモに代表される「チョイワルおやじ」や、ベルルスコーニ元大統領のスキャンダルなど、日本人と全然違ったキャラクターを、我々に見せてくれている。これらは、多くの日本人がイタリア人に対して抱くイメージだと思う。確かに私が接したイタリア人は、オープンで気さく、さらに異性へのアプローチも積極的な方が多かった。しかしイタリア料理に関しては、非常に頑固で保守的な面を持ち、我々がイメージするイタリア人とは異なった一面を見せた。例えば、ローマの料理店で店員さんに「イタリア料理」と言ったところ、「イタリア料理でなく、ローマ料理と言え!」と叱責を受けた。自分達の地域の特徴ある料理を、「イタリア料理」と一括りにされることを大変嫌がるような感じであった。何でも受け入れ、お気楽なイメージのイタリア人であるが、この一件を通じてイタリア人の頑固な一面も垣間見た。ただこの頑固さが、イタリア料理を世界中に広める原動力になったことも間違いないと思われる。
私は表面的にしかイタリア人を捉えていなかったが、この経験を元に、イタリア人に興味を抱くこととなった。