おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2015年6月 1日 (月)
月刊きょうと/「残念な出来事」(2015年6月)
今回は利用者のインプレッサが好きさん(男性)に、ランサーエボリューションの魅力について書いていただきました。
通所期間が随分と長くなり、ついにエッセイの執筆を依頼されることになりました。何を書こうか迷いましたが、少し前にあった残念な出来事を書こうと思います。
残念な出来事とは、三菱自動車工業が生産・販売するランサーエボリューションという自動車が生産終了になるということです。日本では4,298,400円という予定価格(消費税込)で、今年8月ごろに1,000台のみが販売されるランサーエボリューション ファイナルエディションが最終モデルとなり、現在、先行予約受付が始まっていて、すでに完売のようです。
そこで、ランサーエボリューションという自動車がどういった自動車だったのかを振り返ってみたいと思います。
ランサーエボリューション、通称はランエボ、ただ単にエボと呼ばれたり、モデルを識別するためにエボ○(○は数字が入る)と呼ばれることもありました。
デビューは1992年9月。世界ラリー選手権(WRC)のグループA(市販車に改造を施した車両)というカテゴリーでは、ベースとなる車両の性能が基本となるため、ラリー(WRC)で勝つために発売されました。
1993年から参戦した世界ラリー選手権(WRC)でのモデル別戦績は、エボⅠは未勝利、エボⅡ1勝、エボⅢ6勝、エボⅣ6勝、エボⅤ4勝、エボⅥ9勝となっています。
WRCでの獲得タイトルは、1996~1999年まで4年連続ドライバーズチャンピオン(ドライバーはトミ・マキネン)、1998年にはマニュファクチャラーズチャンピオン(メーカーに与えられるタイトル)、グループN(市販車を最小限度で改造したカテゴリー)でもタイトルを獲得し、文字通り世界最速のラリーカーになりました。
また、WRCでの日本の自動車の活躍をみてみると(ドライバーズチャンピオンを獲得した選手の乗っていたメーカーと車種)、1990年トヨタ セリカ、1992~1994年トヨタ セリカ、1995年スバル インプレッサ、1996~1999年三菱 ランサーエボリューション、2001年スバル インプレッサ、2003年スバル インプレッサといった具合に、ヨーロッパの強豪自動車を蹴散らし、日本の自動車の性能を世界に知らしめました。
このように、かつてWRCを席巻した日本の自動車メーカーですが、現在WRCに参戦している日本の自動車メーカーはなく、非常に残念に思っているところに、ランエボまで販売終了になるなんて、おおげさですが、技術大国である日本が、また一つ大切なものをなくしたような気がしてなりません。
しかし、2015年にホンダエンジンがF1に復活したように、トヨタが2017年からヤリス(日本名ヴィッツ)でのWRC参戦を表明したように、三菱やスバルもWRCに復活してもらいたいと思います。
そして、ランサーエボリューションが復活し、F1ではホンダが、WRCではトヨタやスバル、三菱が、それぞれのレースで活躍する日がくることを期待したいと思います。
がんばれ日本の自動車メーカー、がんばろう日本。