おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2015年5月 1日 (金)
月刊きょうと/「釣りの魅力」(2015年5月)
今回は利用者のそうゆうさん(男性)に、釣りの魅力について書いていただきました。
月日も経つのは早いものですね。私も通所が長くなり、この巻頭エッセイの執筆を依頼されることになりました。何を書こうか迷ったのですが、唯一の趣味である釣りをご紹介させて頂きます。
私が狙う釣りものは「アオリイカ」です。とてもシンプルな道具で手軽にイカを釣ることが出来る「エギング」。
なかでもアオリイカは、魚とはひと味違った独特の釣趣も楽しめますが、最大の魅力は何といっても食べて美味しいこと。ゲーム性のあるルアーフィッシング的な要素と、釣果を満喫できる海釣りの楽しさを併せ持ったアオリイカのエギングを楽しんでいます。
アオリイカは、生まれた子供が一年で親になり、産卵とともに一生を終えるという「年魚」のため、時期によって釣れるサイズや数が大きく異なります。
一般にアオリイカの好シーズンは産卵期の親イカが釣れる春先(なかなか釣れません)。
秋はその年に生まれた子イカが活発にエサを漁ってグングン成長するため、数釣りができ入門にも絶好のシーズンです。この時期、港の防波堤にはエギンガー(エギングをする「釣り人」の呼称)がズラッと並んで竿を振っている光景をよく見ます。
エギングでは、「餌(え)木(ぎ)」と呼ばれる小魚やエビといったアオリイカのエサに似せた疑似餌を使い、これを投げて海中で生きているように動かしアオリイカに餌と間違わせて抱かせる。というのがこの釣りの基本的な仕組みです。
釣り方は、海底まで沈めた餌木を、大きく竿をアオって(この動作を「シャクリ」と呼びます)跳ね上げさせる動作の繰り返しが基本です。上級者はシャックった時に「ビシュビシュ」と小気味よい音がします。最初のうちは上手くシャクれないのでなかなかいい音が鳴りません。
私がエギングを始めたきっかけは。毎年、秋になるとエギンガーである上司が釣り仲間と楽しそうに話しているのを聞いて興味を持ち、弟子にしてもらったことからです。
道具を揃えるのに釣具屋へ行き竿、リール、糸、餌木を入手するのですがこの餌木、色や重さ、サイズが多くあり、どれを入手すればいいのかとても迷うのです。なんだかどれも釣れそうな気がするし。でも、そこは師匠に基本のサイズやカラーを見繕ってもらい購入。
いざ釣行へ。師匠のやり方を見てそれを真似て竿を振るのはいいのですが。
釣り自体、小学生の頃にちょっとルアー釣りをしたくらいだったので、とてもぎこちなかったのですが、数時間竿を振って勘を取り戻しつつ何とか小さいサイズのアオリイカをゲット。「師匠の指導のおかげです」と胡麻をすっておいて。
でもビギナーズラックというやつです。これに味を占めてどっぷりエギングにハマってしまったのでした。不思議と師匠と釣りに行くと、ボウズはないのです。
それにしても、趣味にはお金がかかります。竿やリールもブランド物が欲しくなったり。高価な道具を購入したからといって、大物が釣れたり数多く釣れたりする訳でもないのですが…。
また、金曜日に仕事が終わってから車を走らせ海まで行き夜通し釣りをして、翌日帰ってくる。など好きなことをしている時は早く時間も過ぎるし、疲れも平気なのです。
あと、時間や潮の満ち引き、餌木のサイズや色によって釣果が変わってくるのでとても奥の深い釣りです。
昨年は釣行できなかったので、今年は是非釣りに行きたいので秋が待ちどうしい今日この頃です。