おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2014年8月 1日 (金)
月刊きょうと/「サッカーの魅力」(2014年8月)
今回は利用者の永遠のサッカー小僧さん(男性)に、サッカーの魅力について書いていただきました。
エッセイを書くにあたりどんなテーマにしようかと思案した結果、私の愛するスポーツであるサッカーの魅力について書くことにしました。
私とサッカーの出会いは小学校2年生の頃です。それまでは、当時は野球がさかんだったことや阪神タイガースが強いこともあったのか野球少年でした。しかし、兄が所属しているサッカーチームの試合、確か相手チームに2点を先制されてから後半ロスタイムに追いた後にPKで勝った試合を見てからサッカーの魅力にはまり現在に至っています。その後は、これも兄の影響ですが一緒にワールドカップをはじめとする海外サッカーを見るようになり、サッカーを通してマラドーナ、プラティニ、ジーコといった世界のスーパースターや日本とは明らかに違う国々の文化が幼少時の私の好奇心を激しく刺激すると同時に私の世界観を大きく広げてくれました。今でこそ、サッカーの日本代表はワールドカップ出場も当たり前となりましたが、当時はアジア予選を突破することも難しかったので時間の流れの速さを感じます。
サッカーを通じた仲間にも恵まれ、現在でも親交は続いています。サッカーは団体で行うスポーツの中でも連係プレーがうまくいくかどうかで勝敗が大きく左右される点では特別だと言ってもいいかもしれません。得点したとき、最終的にシュートした選手が注目を浴びがちですが、その得点に貢献した選手は一人ではありません。監督は試合が始まると、選手にあまり細かいことは言わず、思ったようにやらせる場合が多いです。そのほうが伸び伸びとプレーできて、一人一人の個性を活かしたおもしろいサッカーができます。そのかわり、すべてを任された選手は自分の責任で判断し、決断し、行動しなければいけませんので、かなりたいへんです。何せ試合中は考えなくてはいけないことが山ほどあり、時間と空間は同じ所に止まってくれないからです。そんな中、必要になってくるのはありきたりの言葉ですがチームワークです。チームメイトの力量および性格、クセといったものまで把握しているほうが確実に強くなります。そのためには深いコミュニケーションや共有体験が大事です。
パスの出し手は受け手がどんなパスを望んでいるかを考えてパスを出す必要があり、そこには思いやりが求められます。信頼も必要です。特にスペースに出すパスは2重の信頼が必要で、パスの出し手は受け手がスペースに走ってくれると信じてパスを出す、そしてパスの受け手も出し手が自らの走るスペースにパスを出してくれると信じて走ることで成り立ちます。チームワークのあるチームは、パスの受け手がトラップミスをしても何度でもパスを出し続けます。そうすることで、パスを受け損なった選手は味方の信頼に応えようと努力し上達していきます。
優れたチームには選手間の信頼関係があります。それこそがチームワークだと私は思いますし人生にも通じる部分が多いです。そう考えると「サッカーは人生の縮図」だという言葉も納得できます。機会があれば是非「信頼関係」という視点でサッカーを見てみて下さい。きっと今までとは違った発見があると思います。