おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2014年7月 1日 (火)
月刊きょうと/「阪急電車今津線について」(2014年7月)
今回は利用者の阪急沿線生まれさん(男性)に、阪急電車の魅力について書いていただきました。
皆さんは、阪急今津線をご存知でしょうか?
阪急には、神戸本線、京都本線、宝塚本線の3本線と、それぞれに1本~3本の支線があります。
その中に神戸本線の支線である今津線があります。
宝塚から西宮北口、西宮北口から今津を結ぶ線ですが、もともとは宝塚から今津まで1本でつながっていたのですが、ダイヤ増の足かせになるため西宮北口で分断され、今日に至っています。
ここで私が紹介したいのは、この今津線の北側、西宮北口から宝塚間の駅周辺についてです。
私はこの線の逆瀬川という駅の側にあった産婦人科の医院で生まれ、小林(おばやし)駅沿線の母の実家に遊びに行くのに幼少の頃からこの電車を利用していました。
その後、小林に22年ほど住んでいました。
今津線は雰囲気がとてもよい線です。
今でも非常に好きな線で、ほかにはない何かがあると思っています。
数年前、この区間を舞台とした小説が出版され、その後映画化されました。
失恋した主人公が元彼の結婚披露宴に花嫁に対抗するため純白のドレスで出席する話、同棲している男のDVから逃れるため苦労する女性の話、地方出身で友人から少し不思議がられる学生同士の恋愛話、その大学へ入りたいが難易度が高くなかなか挑戦する決心がつかない女子高校生の話、普通の主婦が金持ちのマナーの悪い主婦グループで戸惑う話、東京の名門女子大学の付属小学校でのいじめの話、など各駅や電車内を舞台としてストーリーが展開されていました。
映画の話はこれぐらいにして、簡単に路線の紹介をさせて頂きます。
まずは西宮北口、今は高架駅ですが、かつては神戸線と今津線の線路が直角に交差し、ガタンゴトンと電車が横切っていたことを思い出します。
2番目は門戸厄神、厄除けの神社で私も厄年のときに祈祷していただいた思い出があります。
それと、NHK7時のニュースのキャスターや紅白歌合戦の司会者など多くのアナウンサーを排出した名門女子大があります。
3番目は甲東園、12月に行われる甲子園ボールの翌日にはOB・現役を問わず声を嗄らしている、きれいなキャンバスで有名な私立大学に通う学生が乗降する駅です。
4番目は仁川、牝馬クラシックの初戦である桜花賞や春のグランプリレースである宝塚記念が行われる阪神競馬場があり、桜が非常に綺麗なところです。
5番目は小林、母の実家があり、私が16歳から38歳まで暮らしたところでもありますので、第2の故郷と感じているところです。
駅の東側は、この沿線では珍しく庶民的な地域が広がっています。
6番目は逆瀬川、六甲山近辺のハイキングの終点でもあり、またここから六甲山頂に車で行くと急な坂のヘアピンカーブの連続で運転の練習にはもってこいのコースとなっています。
7番目は宝塚南口、すぐそばに老舗の宝塚ホテルがあり、私も結婚披露宴やレストラン・宝塚の親戚の行事などで何度か利用したことがあります。
90年近くの伝統があり、中に入ると、趣きがある立派なホテルだと感じられます。
最後は宝塚、宝塚歌劇が有名ですが私にとっては閉園した宝塚ファミリーランド、年少のころや私の子供が小さかったころよく行きました。
少し、ディズニーランドに似た雰囲気があり、楽しかった思い出がたくさんあります。
ざっと、簡単に紹介させていただきましたが、沿線には住宅地が多いためか、電車の中もやすらぎが感じられ、会社で仕事をした帰りにこの電車に乗るといつも癒されていました。
機会があれば、是非一度乗りに来てみて下さい。
誰にでもやさしい電車ですから。