おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2013年8月 1日 (木)
月刊きょうと/「男の料理」(2013年8月)
今回は利用者のN・Hさん(男性)に、調理の楽しみ方について書いていただきました。
最近はイケメンシェフがテレビで人気ですが、昔は料理番組以外では、料理人はあまりテレビに映らなかったですよね。
私は、子供の頃は料理に興味はありませんでした。ただ、調理師免許を持っている親父がよく料理してくれましたので、その姿を見ていたおかげか、男が料理することへの抵抗は全くありませんでした。
親父の料理らしく、あまり手の込んだ料理ではありませんが、焼き鳥、牛肉のタタキや、お好み焼き屋さんにあるような鉄板付きのテーブルが家にあったので、そこで焼いてくれたステーキやガーリックライスは本当に美味しかったのを今でも覚えています。その腕は、今では孫のために振るわれておりますが。
私が料理に目覚めたのは、大学時代にアルバイトでキッチンに入ってからですかね。両親や従兄弟のお兄ちゃん夫婦に料理を作り、美味しいと言ってもらえるのが本当に嬉しく、気持ちよく料理していました。今は、私も結婚して子供ができ、嫁と子供達が喜んで食べている姿を見るのが、料理をする以上に楽しみなのかもしれません。
子供が喜ぶので、家のガスコンロを使って、ハンゴウでご飯を炊いてキャンプ気分になったり。ピザは生地から作り、トマトソースも手作りし、彩りも考えたピザを作ったり。うどんはもちろん、煮干しから出汁をとって、讃岐風のかけうどんがお気に入り。去年は、お手製の一斗缶スモーカーでベーコン作りに挑戦したのですが…、出来はいまひとつで残念な結果でした。しかし、ミネストローネの具材として美味しく挽回。また、お鍋一つで作れる簡単プリンは、鍋底のカラメルとプリンの相性が良く、子供よりも嫁に好評で、今度は特大鍋で作ろうかと考えたり。
こんな風に料理を楽しんでいますが、あくまでも、自分が食べたいものしか基本的には作りません。そういう意味では、料理は私にとって、ストレス発散の場になっています。
最近は、子供も大きくなってきたので、一緒に魚釣りに行って、食材の確保! また、プランターで作る野菜は、毎年いろんな種類に挑戦しています。今年の春夏は、黒トマトとオレンジピーマンに挑戦し、既に収穫が始まっているのですが、どちらも美味しく、知り合いの方にも好評です。ちなみに、冬の芽キャベツは、過去に2度失敗しているので、今年の冬にでもリベンジしたいな~。
そんな中で思うことは、子供の頃に食べた味っていうのは、やっぱり覚えていて、懐かしく、食べたくなるんですよね。昔はあんまり好きではなかった、今は亡き祖母が作ったおせち料理。年始の挨拶に行けば、毎度の如く、同じ料理が、それも大量に。うんざりしながら食べていたものを、今では求めている自分がいます。他にも、毎日、文句を言いながら食べていたおふくろの味っていうのが、やっぱり安心できるもので、自分の食事の基礎になっているんだなぁと、実感しちゃいます。ちなみに、おふくろの味付けの影響か、私の味付けも、基本は薄味ですので、濃い味が好みの方にはもの足りないはず。
親父やおふくろを見習って、私も自分の子供に、おふくろの味ならぬ親父の味を植え付けられるように、いろんな料理に挑戦したいと思います。が…、欲しい調理道具がいっぱいあるんで、まずは貯金から始めようかな。圧力鍋に、スキレットに、ホームベーカリーなどなど…。