おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2013年1月 1日 (火)
月刊きょうと/「我が家のお正月」(2013年1月)
今回は利用者の栗きんとんさん(女性)に、お正月の過ごし方についてて書いていただきました。
皆さん、お正月はどのように過ごされていますか?帰省、旅行、あるいは寝正月と様々だと思いますが、今回は我が家のお正月の様子をご紹介します。
まず、元旦はゆっくり寝坊します。初詣はしません。(近所の神社は毎年長蛇の列ができており、それを見ただけでお参りする気力が失せてしまいます…)大体9時頃に起きて準備を始めます。
まず、お節料理。これは「作るものではなく、詰めるものだ」というのが我が家の鉄則です。スーパーで買ってきた好みの素材を、ただ色よく詰めることのみに集中します。「それだったら重箱に詰めてあるお節を買ってくればいいのに」と言われそうですが、詰める喜びが得られないのでほとんど買ったことがありません。
紅白のかまぼこを切って交互に並べていくうちに、何となくおめでたい気持ちが湧き上がってきます。子供が大好きな伊達巻を入れた後は、引きしめ効果のある渋い黒豆を横に置きます。緑色が欲しくなり、キュウリやほうれん草を添え、後は栗やチーズなど、その時の気分次第で好きなものを詰めていけば完了。簡単で結構美味しそう(?)に見えるお節料理が出来上がります!!
お雑煮は出汁をとり、大根と人参を煮て白味噌仕立てで頂きます。餅屋で買った丸餅を入れると最高ですが、あんこ餅を入れても結構おいしいですよ!
食後は年賀状のチェックタイム。メールが苦手な昭和世代なので、ひたすら紙の年賀状を送り、もらい続けています。でも「今年はもういいか」と思って出さなかった人ほど、元旦に年賀状が来るのはなぜでしょうか? 相手もパソコンの住所チェックをするのが面倒なのかもしれません。家族の写真入りの年賀状が一番面白く、写真で子どもの成長ぶりがチェックできます。「美魔女」な友人の写真もあり、犬だけの写真もあり、送り手の個性が伺えます。
夕方からは夫の実家にお年始へ。車で10分程なので、我が家に「帰省」と言うものはありません。また近所に住む義妹家族もやってきて、静かな祖父母宅がいっぺんに保育所になってしまいます。寝室のベッドは恰好の遊び場で、隠れ家になったり舞台になったりして、帰る頃には無残な姿に…本当にすまない気持ちでいっぱいになります。
一方、大人達は焼き肉を食べながら、毎年恒例の「格付け番組」(ゲストに一流品を見分けさせる番組)を見ては、「これは絶対Aや」などと騒いでいます。子どもの輪にも入れず、大人達とも話が合わない中学生の長女はひたすらパソコンゲームをやり続けています。少し可哀相ですが、それもお年玉のため仕方がないでしょう。
帰る前には、持参したお菓子を分け合って各家庭に持ち帰るのが習わしです。分けるのは子供達の役目で、自分の好きなお菓子をどうやってうまく自宅用の箱に分配するかで大悩み。迷っているうちに祖父から「そんなに欲しいなら今食べたらどうや」と言われ、その場でパクリということもしばしば。大人もそれを見習います。
こうやって、食べて話しているうちに元旦が過ぎていきます。特別なことは何もなく、だらだらと過ごしているわけですが、そんな日々が実は幸せなんかなあと感じる今日この頃です。