おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2012年10月 1日 (月)
月刊きょうと/「夢はかなう」(2012年10月)
今回は利用者のIさん(男性)に、音楽の魅力について書いていただきました。
食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、勉強の秋、ロマンスの秋、芸術の秋、・・・夏の暑さから開放され、何かをやってみたくなる季節ですね。
この秋、私は、芸術、とりわけ、音楽に取り組もうと思っています。今回はこの音楽について綴ってみました。
今や私は三度の飯よりピアノが好きで(決して上手ではないんですが)、調律も自分でしてしまいます。と書くと、「子供の時からピアノを習ろてはって、音楽学校へも通ったはったんやなあ」と思われるかもしれませんが、ブー! 全然違います。もともと私は、半田ごてを握りラジオを作っていたオタクでした。
そんな私に転機が訪れたのは、19歳の時。たまたま耳に入ったピアノ曲に、心から感動! 「なんとかしてこの曲を弾きたい! 人に出来ることやから、自分も出来るハズや」、そう強く思いました。いや、もしかしたら、その曲が私をその気にさせたのかもしれませんが。
とにかくピアノを弾きたい! 周りの人は、「19歳にもなって楽譜も読めへんヤツが今更ピアノを弾くなんて無理無理」と思っていたことでしょう。でも、母が楽譜の読み方を教えてくれたこと、その曲の楽譜がすぐに手に入ったこと、家にピアノがあったことなど、周辺の良い条件も重なって、ほぼ独学で1日1小節ずつ(オタマジャクシが4個から8個ぐらい)、こつこつと練習を進めました、ピアノが弾けるようになることを夢見て。
そして、どうにか1曲、弾けるようになりました(自慢!)。1曲弾けるようになると自信がつき、次々と新しい曲に触れ、更に自信がついて、今ではそこそこ難しい曲も弾けるようになりました(思いっきり自慢!)。
失礼、自慢話じゃなくって、皆さんに言いたいことは、どんなことでも「絶対やるで!」と強く思ったら、必ず出来るということです。希望を持つこと、そして最後まで諦めないことです。
さて、そのうち、「売れてる曲で感動するのは当たり前や。感動はやっぱり自分で作るもんや」と思うようになりました。作曲です。
話はかわりますが、私は暗記が大嫌い。それで、よく「法則を見出すこと」を考えます。何か法則が見出せたら、覚えることってすごく減るでしょう? 思考の癖のせいでしょうね、曲にも法則があることに気付きました。「曲は4つのパートから出来ているものが多い」という法則。曲のパートを前からABCDとすると、大抵の曲は、Aのメロディーがあって、Aのメロディーをちょっと変えたB、全然違うメロディーのC、そして、Aと同じメロディーのDとなっています。例えば、「カエルのうた」がそう。音楽の起承転結かな。これで曲の大きな流れを作ることが出来ます。
次にメロディーの作り方ですが、私は短いメロディー、いわゆる「かけら」を集めています。かけらは、指の練習で出鱈目にピアノを弾いている時に見付けることが多いです。そう、砂浜を散歩して貝殻を拾うように。そして、貝殻でネックレスを作るように、好きなかけらをつなぎ合わせて、ひとつの曲に仕上げていきます。
さあ、これであなたも作曲家ですね!
最後に、「作曲は自己表現だ」と思います。そして、クリエイティブライティングやコラージュやダンスセラピー等の自己表現が心に良い効果を与えるように、きっと作曲も心に良いお薬となることでしょう。
皆さんも是非、作曲で自己表現してみてください♪