おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2012年4月 1日 (日)
月刊きょうと/「ついていったら……」(2012年4月)
今回は利用者の森の動物たちさん(男性)に、キャッチセールスにまつわるエピソードを書いていただきました。
街中で声をかけられ、その人についていったらどうなるか。
経験された方も多いと思いますが、私も数回あります。ほとんどが大学生の時(25年以上も昔)で、世の中に揉まれておらず、さらにうまく断る事もできず。まさに「カモ」状態でした。そんな時にいろんなキャッチに会い、どうなったかを話させて頂きます。
その1.会員権
「旅行に関するアンケートをお願いしたいのですが」
暇なので相手しました(馬鹿です)。すると場所を変えて実施することになりました。
近くのビルに入り、パーテーションで区切られた机に案内されました。担当者がファイルを持って現れ、説明開始です。
ファイルの中には、有名企業名が貼られた紙のコピーがあり、「これらの会社が共同で新しい会社を作ります。その会員になれば保有しているホテルに格安で宿泊頂けます」との説明。お~い、アンケートはどこへいったの?
とも言えずに、ふんふんとうなずくだけの私。ホテルの宿泊費用だけを聞いていると確かに安い。結構いいんじゃないかしら、と思っていると、会員券が数十万円とのこと。払えませんし、要りません。この時は数時間じっと「システムは良いのですが、お金がないので結構です」と言い続け解放されました。
その2.宗教勧誘
「ちょっとお時間よろしいですか」
黒人男性が話しかけてこられました。非常に丁寧な口調なので少し油断(良く考えれば、あからさまに不審な言動の人に声をかけられても逃げるだけなのですが)。
引きずりこまれる様に、とあるビルへ。黒人男性がたくさ~ん。○○教の布教です。ちょっと怖い。でも帰ると言えない。また、ふんふんと聞いていると関心があると思われたのか、更に熱心に説明されます。わーい、どうしよう。頭の中は脱出計画作成でいっぱいいっぱいです。声を振り絞るように、「折角のお誘いですが結構です」と言い、逃げるように帰りました。
その3.レーザーディスク
もうそろそろ懲りればいいのに(自戒)。またもや「簡単なアンケートなので、ご協力いただけませんか」の言葉に、ほいほい(?)とついていく私。
例にもれず、パーテーションに区切られた部屋。ちょっと強面のお兄さん。インターネットもない時代。百科事典の入ったレーザーディスク販売でした。
「お金がない」
「毎日のたばこやジュースを減らせば大丈夫です」
あなたは大丈夫かもしれませんが、私は大丈夫じゃありません。それにたばこは吸いません。ふと気がつくと4時間以上も在席。これはうわさに聞く軟禁状態では。何とか脱出しなければ命の危険があぶない(なんか変な文章?)。
ということで、ご契約(パチパチパチ)。脱出成功、って契約してるし。その翌日、クーリングオフ成功。これでチャラになりました。
まだまだ、英会話や絵画などありますがとりあえずこれくらいに致します。敵(?)もあの手、この手でいろいろと考えてきます。穏やかにコミュニケーションを取りながらも、不要な場合には、しっかりと「断る」ことで、対処していければと思っています。