おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2012年3月 1日 (木)
月刊きょうと/「我が家」(2012年3月)
今回は利用者のえびさん(男性)に、マイホームにまつわるエピソードを書いていただきました。
昨年の3月末に購入した「我が家」についてお話したいと思います。
それまでは、結婚と同時に入居した賃貸アパートで14年間暮らしていたのですが、気がつけば全12世帯の内、私たち家族を含め3世帯が古参となっていました。最寄りの駅からも近く、近郊にはショッピングセンターや飲食店も多く何かと便利であったことも長らく住んでいた理由でもありました。
その反面、当初は比較的静かであった場所は、近所に24時間のコインランドリーや精米所が出来たり交通量が増えるなど環境が変わってきたことや、賑やかな隣人(苦笑)が越してきたりして、「閑静な一戸建てに住みたいなあ」と憧れを抱くようになっていきました。それ以外にも、妻の軽自動車は二度も車上荒らしの被害に遭っていた訳ですが…。
2010年のゴールデン・ウィーク明けに、某ハウスメーカーのモデルハウスの見学に行ったことがきっかけとなり、とんとん拍子に話は進み、数回の打ち合わせの後契約し、家づくりがスタートしました。内部仕様や設備・家具の配置などは私よりもむしろ妻がレイアウトを考えてくれ、またその際とても楽しそうにしていたのが今でも印象に残っています。建築工事が着手してからも、普段は仕事で工事の様子が分からない自分に代わって、当時専業主婦だった妻は、工事現場を訪れ写真撮影し、その都度報告してくれていました。
工事のスケジュールは順調に進み無事竣工、そして引き渡しを終え、引越しの後入居して新たな人生がスタートしたと同時に、35年間の住宅ローンという大きな荷物を背負い、いっそう仕事を頑張らなきゃ!と力が入っていた当時のことを思い出します。
外構工事(フェンス・庭・駐車場の施工)が昨年の5月に完了し、自宅で愛車を洗車するというささやかな夢がかなった矢先の6月に体調を崩し、休職してしまいます。
人生を双六になぞらえる詩がありますが、ちょうど今の自分は「1回休み」の場所にいるのかも知れません。でも、単なる休息ではなく新たな自分に生まれ変わるための準備期間であるはずです。昔だったら、ルーレットやサイコロの大きな数字を出して、どんどん前へ進む自分がいたけれど、今は大きな数字を出さなくてもいいから、一歩一歩ゆっくりと前進できる人生を歩んでいくためにもっと強くなりたいと思っています。
まさに、人生山あり谷ありってところでしょうか?今の自分には「我が家」とそして家族があり、この大事な宝物を守りたいといっそう強く感じる今日この頃です。