おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2011年9月30日 (金)
月刊きょうと/「我が家の韓流」(2011年10月)
今回は利用者のToshiiさん(男性)に、韓流との出会いとその後について書いていただきました。
私が韓国に興味を持つようになったのは、今から8年前、当時関心のあったBOAのCDと一緒にたまたま輸入購入したイ・スヨンという女性バラード歌手のCDを聴いてからです。
当時、韓国語の歌詞の意味はまったくわからなかったのですが、悲しく切ないが高音で美しい歌声を何度も聴いているうちにすっかりファンになり、彼女のCDを集めるようになりました。その後、ファヨビやユンナ、コミといった女性歌手やシン・スンフン、チョソンモ、ソン・シギョンなど男性歌手のCDも買い集めて聴くようになり、どっぷりと韓国音楽にはまりました。
韓国ドラマも見るようになりました。韓国ドラマでは最後に主要な主人公がみな死んでいなくなってしまうものも数多くあります。『チュオクの剣』『バリへの出来事』などのドラマを「なんで!ありえない」と思いながらも、結局最後まで見てしまいました。フィクションとわかっていながらも、「涙を流しながら?」のめり込んで見ていると、結構 ストレスの発散にもなりました。
また、『ラブストーリー・イン・ハーバード』というハーバード大学を舞台したドラマを見て、最初の4話が全てアメリカでのロケで、登場人物が劇中で半分以上、英語で会話しながら演技をしているのをみて驚きました。なぜこんなドラマを韓国では作ることができるのか、といった疑問も韓国への関心につながった気がします。
会社でも同僚や後輩、いろんな方に韓国のCDやドラマのDVDを紹介して、韓国仲間を増やそうとしたのですが、全然増えなくて、会社の中では『サムルノリ』という韓国の古典芸能に関心のある一人の先輩だけが唯一、韓国の話題で話ができるという寂しい状態が続きました。
韓国語も独学ではじめましたが、最初は歌詞の意味も全然わかりませんでした。
そこで、思い切って京都にある韓国語教室に習いに通うようになりました。
ドラマ『冬のソナタ』の影響で韓流ブームとなり、日本でも多くの韓国ドラマが放映されるようになりましたが、韓国に興味があるのは女性がほとんどでした。韓国語の教室も15人の参加者の中で男性は私一人だったので、違和感を抱きながらも授業を受けていましたが、韓国ドラマのDVDや音楽CDをお互いに貸し合っていくうちにしだいに教室にも溶け込んでいくようになりました。
スカパーにも入って、韓国のドラマや音楽番組を見ることができるようになっていましたが、家庭ではひとつ大きな問題がありました。妻の教育方針で家族が話し合う時間をもつようにということで、家にはテレビが一台しかありません。妻や子供らにも韓国の良さを強調して、家族でソウルに旅行も2回出かけたりしたのですが、妻も子供たちもなかなか韓国には関心を示しません。じゃんけんで負けると、録りだめした韓国ドラマをパソコンの画面で一人さびしくみている姿は自分でもずっとなさけなくもありました。
ところが、2010年 韓国女性アイドルグループKARAの日本進出でようやく状況が変わりました。今までまったく関心のなかった娘がKARA、少女時代のファンになり、CDを買ってとまでいうようになりました。
ようやくわが家にも「韓流」が来たようです。