おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2011年6月29日 (水)
月刊きょうと/「映画館で映画を観ることの魅力について」(2011年7月)
今回は利用者のルーク・スカイウォーカーさん(男性)に、映画の魅力について書いていただきます。
私は、平均すれば月に10本以上のペースで映画館に通っています。
大型の液晶テレビを購入し、DVDや衛星放送でノーカットで見られるようになりましたが、やっぱり映画は映画館で見たい。誰にも邪魔されずに暗闇の中で大きなスクリーンと対峙することに価値があると思うからです。
映画館で映画を見るときには、会員制や各種の割引料金を駆使するとはいえ、入場料という決して安くはない「投資」をしますし、もしかしたら一生のうちで1回限りかも知れない、いわば一期一会の機会だと思うと、強いこだわりを持って暗闇に身を委ねています。
何にこだわりがあるのかを挙げるとキリがないのですが、スクリーンの大きさ、音の良さ、座席の位置などです。
映画館の大スクリーンの臨場感は、テレビでは体感できません。
最近の映画館は最新のスピーカーを設置し、デジタル音響で音質が格段に向上しました。
座席は、視野に偏りがなく、音の立体感を体感できる位置、すなわちスクリーン正面の後方中央の席に座ります。前席の観客の頭で視野がさえぎられるなんて論外です。
***
冒頭で「誰にも邪魔されずに」と書きましたが、自分ではどうすることもできないのは、上映中の観客のマナーと上映トラブルです。
鑑賞中は映画に集中したいので、上映中のおしゃべりや音の出る食べ物は遠慮してほしいものです。最近は、どの映画館でも上映前にマナー向上の案内がありますが、まだまだ徹底されてはいません。ひとりの観客のせいで、感動的な映画をぶちこわしにされることもあります。
私の経験では、おしゃべりを注意したら、上映終了後にからまれたことがあります。また、あるラブストーリーを見ていて、愛し合った二人が戦争で引き裂かれ、結ばれることがなかったという、いまにも涙がこぼれ落ちそうな瞬間に間の抜けた着メロが劇場中に響いて、ラストを台無しにされたことがあります。その犯人が隣の席だったので最悪でした。
また、ポップコーンの音が気になって、映画に集中できなくなることがあります。
上映中の食事を禁止するのが理想ですが、映画館でポップコーンを売るのなら、音の出ないポップコーンを開発してほしいものです。
シネコンなど最近の映画館では、映写技師を置かずに全自動で映画が上映できる劇場が大半です。
しかし、全自動とはいえ上映トラブルが起きることがあります。
最近はフィルムが切れて上映が中断することは少なくなりましたが、正しいスクリーンサイズで上映していない、片方のスピーカーから音が出ていない、最悪の場合は全く音が出ていないといったときもあります。
映写技師がいないときは、上映トラブルに気づくのは観客だけということになるのですが、
運悪く上映トラブルに遭遇したときには、クレームを言って、上映をやり直してもらうこともあります。
お金を払っているのですから、ストレスを溜めたまま我慢し続けるわけにはいきません。
マナーの悪い観客や上映トラブルに遭っても、それでも映画は映画館で観る価値があります。
これからも映画館に通い続けます!