おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2011年5月30日 (月)
月刊きょうと/「有名人の方々との思い出」(2011年6月)
今回は利用者のえーじさん(男性)に、有名人と会ったときのエピソードについて書いていただきます。
巻頭エッセイを頼まれて何か楽しかった思い出あったかなあと考えているうちに、僕のこれまでの人生で何人か実際に会った事のある有名人の方々との話を書いてみようと思いました。
まずは手塚治虫さんです。小学校六年の三月だったと思います。中学受験に失敗した僕を元気付けようとして父が京都の百貨店に連れて行ってくれ、そこの書籍売り場で手塚さんのサイン会が行われていました。列にならんで色
紙にサインをしてもらった他、ジャングル大帝の単行本の表紙裏にもサインしてもらいました。小学生だった僕にとって手塚さんはにこやかなおじさんという印象しかなかったのですが、後に『鉄腕アトム』『ブラックジャック』『火の鳥』などを読み進むうち、凄い人だったんだなあと改めて思いました。
次は俳優の時任三郎さんです。大学時代秋葉原のPCショップでアルバイトをしていましたが、そこに時任さんがひょいと現れPCの修理の依頼をされました。気さくな明るい感じの方で、背が高いなあという印象がありました。当時「24時間戦えますか?」というCMをされていましたが、本当に24時間戦っていそうな雰囲気がありました。
学生時代住んでいた場所の近所に、天本英世さんが住まれていました。仮面ライダーのショッカーの幹部、死神博士役をされていたあの方です。長い白髪につばの無い帽子をかぶり、黒いマントを着て歩いておられるのに何度かすれ違ったことがあるのですがかなり怖かったです。後に『たけしの平成教育委員会』でにこやかに回答されている姿をみて、懐かしさを感じました。
精神科医の香山リカさんとはサイン会でお会いしました。七年ぐらい前ですね。『いまどきの常識』という著書のキャンペーンだったのですが、サイン会の整理券をなくした僕は二冊この本を買いました。サイン会の列に並んで自分の順番が回ってきたときにちょっとだけお話させてもらいました。テレビにコメンテイターとしてよく出演されており、見かける機会は多いのですが、サイン会の事はこのエッセイを書き始めるまですっかり忘れていました。
最後はゴダイゴの皆さんです。昔『西遊記』という番組で主題歌を演奏していましたが、活動休止後、結成30周年の時から活動を再開し、最近は毎年コンサートを行われてます。『西遊記』は海外でも放送されていて、昔それを観ていたイギリス人の友人の紹介で、三年前渋谷でのコンサート開始前の楽屋におじゃまさせてもらいました。ボーカルのタケカワさんには開演前の会場も案内してもらい少しお話させてもらったのですが、自分が小学生の時にテレビで見ていた人とこうやって普通に話をしているのはとっても不思議だなと話をしながら考えていました。
一般人の我々からすると有名人の方々は外出するにしても周りに注目されて大変だろうなといらない心配をしてしまいますが、有名人の人たちの意識はまた違うのかもしれません。自分達はそうあるべきしてそうなのだから特に気にしていないよといったように思われているのでしょうか。僕にとって有名人の方々と出会えた思い出は、「人生のスパイス」といった形の良い思い出となっています。