おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2010年9月30日 (木)
月刊きょうと/「自転車について思うこと」(2010年10月)
今回は利用者の温泉大好きさん(男性)に、自転車の魅力について書いていただきました。
【出会い】
自分が初めて自転車に乗れたときのことは今でもぼんやりと覚えております。兄が近所のお寺の境内で特訓してくれました。自分の息子が初めて乗れた時の光景はもっとはっきりと覚えており、ビデオカメラで撮影もしました。自転車に乗れると行動半径が広がり、自分の世界が広がります。
二十代半ばに友人と一緒に初めてロードレーサーを買いました。チューブラータイヤと言ってその当時のスポーツ用車の主流の高圧タイヤの走行抵抗の少ない軽い走りに驚いて、なんと気持ちの良いものだと思いました。その自転車でミニトライアスロンに出たり、ツーリングを楽しんだり、又、通勤にも使っていました。
当時は車が好きだった頃もありましたが、年間の走行距離が自転車の方が多い年もありました。
【魅力】
自転車の魅力は幾つもありますが、私が良いと思うのは次の4点です。
①移動できる実用性
②コンパクト、軽量、気軽、安価
③排気ガス、騒音が無くエコロジー
④比較的足を故障することが少なく、有酸素運動ができる。
やや大げさかもしれませんが、私の場合、最も魂が高揚する瞬間は、自転車に乗っている時に周辺の山々や土地、風と一体化できるような感じを味わえる時です。たぶんランナーズハイみたいなものだと思います(但しその感覚は滅多にありませんが)。
【街道】
旧街道は大好きです。かつて人々が歩いたであろう街道筋の風景にはとても心が和みます。
旧街道は歩く人用に作られていて、生活に密着しています。車用に作られていないので、勾配がゆるやかで自転車にも優しいです。
街道を周辺の土地の造りと見比べていると、その道が形成された理由がよく分かる時があります。多くはある地点を結ぶ為に最も楽に歩ける様に出来ています。山であれば、谷沿い、つまり川沿いにとかです。峠越えも普通は最も低い峠を越える道がまず作られます。
おうばく病院の近くでは、萬福寺の下の「こまかげの道」が旧街道の一つです。
【自転車ブーム】
現在、何度目かの自転車ブームと言われているようです。確かに自転車に乗っている人を見かけるのが増えたと思います。
これはとても喜ばしいことです。健康面だけを捉えても、自転車やジョギングで有酸素運動をすれば成人病予防になり、その結果、国民総医療費が大幅に低減できるという試算があるようですが、その通りだと思います。有酸素運動はうつ等の精神疾患にも良いのでお勧めと言えます。
【自転車先進国、都市】
ヨーロッパには自転車に優しい町を作ろうとする気運が多くあるようで、オランダやドイツのそういった町を将来もし可能なら訪れてみたいと思っております。
徐々にですが日本でも自転車に優しい町つくりを進める事業が増えてきている様にも思います。また、下りやブレーキ時にエネルギー回収できる電動アシスト自転車も普及してきており、これはある意味で究極のハイブリッドエコロジーではないかと思います。そういったハード面で日本人は器用なので有望です。
あとは自転車をとりまく道路や駐輪環境といったソフト面や行政を含めた整備が進めば良いと思います。私も微力ながら何らかの形でそういった活動に参加できればと、思っております。