おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2010年1月 1日 (金)
月刊きょうと/ 「OB交流会の感想」(2010年1月)
今回は利用者のバッシーさん(男性)に、当BUCのOB交流会について書いていただきました。
新年明けまして、おめでとうございます。
21世紀もあっという間に10年目がスタートしました。これを読んでいらっしゃる皆様にとって、今年が良い年でありますようお祈りいたします。
さて、今年一発目の巻頭エッセイとして、今回は昨年11月28日に宇治おうばく病院内にて開催されました、「OB交流会」の感想を書かせていただきます。
従来、巻頭エッセイには著者の方の趣味や個人的な体験が多く寄せられている印象がありますが、私にとりたてた趣味等もないことから、ここ、バックアップセンターきょうと(以下「BUC」とします)の活動の中から一つ紹介させていただきたいと思います。
さて、OB交流会とはBUCが半年に一度主催するものであり、現在BUCに通所中の現役メンバーと、以前BUCを卒業し、現在は社会で活躍されているOB・OGメンバーとの情報交換や交流を目的としたものです。また、OB交流会は現役メンバー数人が実行委員として企画・運営するものであり、復職後の仕事を見据えたトレーニングプログラムの一つとなっています。
昨年11月のOB交流会には、OBが30名弱、現役メンバーが20名強参加し、実行委員メンバーのきめ細かい準備と、交流会当日の柔軟な運営により、わきあいあいとした雰囲気の中、笑顔の絶えない会となりました。
それでは、私のOB交流会の感想を以下に列挙したいと思います。
1.まず、OBの方々が実際にこれだけいらっしゃるという事実が、うつ病は回復する病気であることを私に実感させ、大きな安心感を与えてくれました。また、OBの方々からのアドバイスは、昨日、今日という実生活に根ざしたものであり、その言葉はより一層の説得力をもって私に響きました。
2.うつ病と付き合うことは、病気だけでなく、色々な方ともお付き合いすることだということを再認識しました。これはBUCに通所以来、私が度々感じていることですが、うつ病という共通項を通じて、これまでの経歴等を抜きにしたお付き合いを、様々な方々ともつことができるということは、それだけでも私の人生に大きな財産になるだろうと思います。
3.スタッフの皆さんが、いつも以上に楽しげにしていらっしゃるのがとても印象的でした。うつ病は再発の多い病気だけに、スタッフの方々もOBの皆さんが元気に活躍されているのを見るのが、非常に嬉しく、また自らの励みにもなるのだろうなと思いました。
4.OB交流会のように、病気を共通項として集うことができるのは、うつ病のいいところではないかとも思いました。うつ病は完治(元の状態に戻ること)ではなく、寛解(病気による症状が好転又はほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態のこと)する病気といわれます。私はこの話を聞いたとき、自分が一生うつ病と付き合っていくことに愕然としました。しかし、OB交流会のような場はうつ病が長期間に亘って付き合う病気だからこそ開催できるものであると思うと、うつ病にもいいところがあるなと思ってしまいました(笑)。
このように、OB交流会は私に様々な感想を与えてくれました。次回は半年後の5月頃の開催予定とのことですので、今度はOBの一人としてOB交流会に参加したいと、今は強く、強く思っています。