おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2009年12月 1日 (火)
月刊きょうと/ 「良い子はまねしてはいけませんよ」~なぜお母さんごめん?(2009年12月)
今回は利用者のW・レイニーさん(男性)に、バイクの魅力について書いていただきました。
誰しも、人生の中で、危機一髪だった事があると思いますが(無いかもしれませんが?)、私が最も危なかった時の話をしてみます。
私が学生の頃、当時は空前のバイクブームで今とは比べものにならないほど、GPレースや、鈴鹿8時間耐久レース等、大いに盛り上がっていました。
私も、友人の影響を受け、興味をもちバイクに乗るようになりました。20代の頃は、本当にサーキットでレースに出てみようと思っていました(しかしお金が無くて、レース用のツナギが買えなくて、諦めました。残念です)。
そして、学生時代、社会人になっても、友人や、職場の人達、又、取引先のお客さん等、毎月のように、ツーリングに行っていました。全て日帰りで、淡路島一周とか、琵琶湖一周とか、高知の室戸岬まで行ってそのまま帰ってきたり、諏訪湖行き、ビーナスライン走ったり、海水浴に行ったりと、色々な所へ行きました。
ただ、ツーリングに行くと、最初は、皆ゆっくりと走っていますが、峠に入ったら、必ず誰かがスパートをかけます。そうなったら、皆の心に一斉に火がつき、ものすごいペースになり、あげくは、レースになってしまいます(いつも出発前には、「今日は、景色を楽しみながら、ゆっくり走ろうね」と皆で言っているのですが)。
結局、男性も女性も、友人、職場の人、ユーザー、誰も彼も、結局は皆一緒。火がついてしまいます。あれは、なぜそうなるんだろう?と思いながらいつも走っていました。
私は毎回、後の方で走っているのですが、いつの間にか、私が先頭になっていました(半分、私が悪いのでしょう)。
そしてある時(学生の頃ですが)、友人の実家が富山にあるので、行ってみようということになり、皆で行きました。一人の友人が、「一回バイク交換して、行ってみようか?」と言い出したので、交換して走りました。2ストロークのバイクに乗るのは初めてで、エンジンブレーキ、ハンドリング、ポジション、パワーの出方など、私のバイクと全然違い、最初は戸惑いましたが、段々慣れてきて、快適に走っていました。そしてまた、レースが始まってしまいました。
ある高速コーナーで、いつもの感覚で走っていたら、ブレーキが思ったより効かない、思ったより曲がらない。という感じで、オーバースピードでコーナーの入り口まで来てしまいました。白いガードレールが、凄いスピードで目の前に迫ってきました。「もうだめだ、突っ込む」と一瞬感じたのと、同時に「お母さんごめん!」と鮮明に頭に浮かびました。その後、フルバンクして、なんとかその場は、無事に曲がる事ができました。とっさの事で、友人のバイクを壊してしまう、とか、自分自身の事がどうなるか、とか浮かばず、なぜ「お母さんごめん」だったんだろう?謎です。
現在は、バイクが古くなり、オーバーホール中のため、数ヶ月乗っていませんが…。やめられませんね。
皆さん、車やバイクを乗るときは、危険な走行はせず、法令遵守で、安全にそして快適に走りましょう。昔の事は、若気の至りということで許して下さい。
ちなみに、ペンネームのW・レイニーは、私が好きだった昔のGP500ライダーの名前です。