おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2009年6月 1日 (月)
月刊きょうと/古着利用~循環型社会への一個人的取り組み(2009年6月)
今回は利用者の赤い彗星のMPVさん(男性)に、古着の魅力について書いていただきました。
BUCに入所して約11ヶ月、本誌が出る頃は、恐らく一番の古株になる私に、巻頭エッセイの作成依頼があったのは、4月末の担当スタッフとの面談の際でした。
その日の面談は、出勤訓練の状況報告と5月中のBUC通所予定日を決めるために行いましたが、面談終了間際に何の前触れもなく、しかし、絶妙のタイミングでその話を切り出されました。
面談を遡ること少々、5月号が完成し、メンバーで冊子を折る作業中に、不覚にもスタッフが背後にいると気付かずに「実は、まだエッセイ書いてない。逃げ切るで」と話をしてしまいました。その瞬間、嫌な空気がスッと流れたのを確かに感じ、後ろを振り返ると「へぇ、赤い彗星さんがエッセイ書いてないのは気付いてなかった。いい情報を聞いた」とニヤニヤするスタッフを発見。「いらんこと言うてもた」…そう、自ら墓穴を掘ったのです。
しかし、何故かその日を含めて、通所した際にも全く「それの依頼」について話がなかったので、てっきり他のメンバーが書くと思い、油断していた矢先の作成依頼でした。「チクり?」と思いましたが、この場面で断って悪印象が残るより、快諾して良い印象を残す方が何かと有利?と考え、引き受けました(後日、チクリではないことが判明。会話の際には背後に十分注意しましょう)。
では、前置きが長くなりましたが、ここから本題について書きます。
「古着」と言えば、何十年前のジーンズなどを代表に、何十万円単位の「ヴィンテージ」と呼ばれるものをTV等で見ることもありますが、私の「古着」は、一般家庭から古着店の買取に出される1着100円単位から高くても2千円程度までの価格帯で、私の少ない小遣いでも買えるものです。
しかし、安いといって侮ってはいけません。中には定価が1万円を超えるようなブランドの衣類や服飾雑貨などが状態によりますが、千円前後で購入でき、タグ付きの新古品に出会うことも。
人によって感覚は異なると思いますが、私にとっては宝探しの感覚で、その時間だけ何もかも忘れて、目の前の品物の山から「お宝」を発見することに快感すら感じています。発見できてサイズが合えば超ラッキーでお買い得ですよ。ちょっとしたストレス解消にもなります。
古着利用歴は1年数ヶ月で、最初はただ自分の好きなブランドを見つけては買っていましたが、最近では「これはちょっと怪しい?」と、正規品かどうか見分けるポイントが定まってきて、当たり外れは多少あると思いますが、購入時には状態も含め、ポイントも確認するように心がけています。
また、古着屋の販売価格についてですが、買い取りシステムが全て重さで買い取る(1㎏○○円)店は販売価格が非常に安く、1着ずつや数着まとめて買い取り価格を算出している店は、同じ品物でも販売価格は前者と比べると高くなっています。ちなみに、古着を売る際には、まず後者の店に持って行き、買い取りされずに残ったものを前者の店に持ち込むと、お小遣いがちょっと増えたりします。
最後に、ちょっと自慢になりますが、私がこれまでに買った品物で、お買い得だったベスト3を紹介します。第3位はダンヒルのネクタイ新古品が180円。第2位はバーバリーのネクタイで状態良が180円。そして、第1位はPOTER(ポーター)のウエストバックが状態普通で定価約1万2千円程度するものが180円といった結果です。他にも多々ありますが、これだけ結果を残すためには、頻繁に店に足を運び、追加商品のチェックをすることが必要になります。でも、追加商品は毎日入るので、その日によって何が見つかるか分からないので飽きません。
少し時間の余裕があるときなどに、一度、古着屋をのぞいてみて、循環型社会への取り組みとして、利用を検討してみてはいかがでしょうか?