おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2008年10月 1日 (水)
月刊きょうと/オルゴールの勧め(2008年10月)
今回は利用者のインプレッサさん(男性)に、オルゴールの魅力について書いていただきました。
皆さんは、オルゴールというとどんな物が頭に浮かびますか?
おそらく、宝石箱やぬいぐるみのおもちゃ、四角い透明のケース等に入った小さな物が頭に浮かぶと思います。
オルゴールは18世紀末から20世紀初頭にかけて、蓄音機が発明されるまで、音楽を楽しむ装置として活躍していました。懐中時計に組み込まれたり、指輪に仕込まれたりといった小さなものから、高さ3メートルほどもある大きな家具に相当する様なものまであります。また、オルゴールボールといって、振ると綺麗な音の出る金属球もあります。
ちなみに、オルゴールは英語では「ミュージックボックス」といいます。日本語の「オルゴール」はオランダ語の「orgel(オルガン)」に由来しています。
オルゴールには大きく分けて、シリンダー・オルゴールと、ディスク・オルゴールの2種類があります。
よく見る小さな物がシリンダー・オルゴールで、ゼンマイ等の動力により回転する円筒の表面に植えられたピンが、櫛形の音階の金属板を弾いて音が出る構造です。通常はシリンダーが交換できないため、1曲もしくは数曲しか演奏できません。
その欠点を解消したのがディスク式です。ディスクに突起または穴があり、ゼンマイ等の動力によりそのディスクを回転させ、スター・ホィールと呼ばれる歯車を介して櫛の歯を弾き、音が出る構造です。ディスクの大きさが4.5インチから15インチ(1インチは約2.5センチ)くらいまであり、このディスクを交換することにより、1台で多くの曲が演奏できるようになりました。
また、オルゴールはCDなどのように録音された物ではなく、その場で生演奏のすばらしい音色を楽しめるという点でも非常に贅沢な物と言えますね。
オルゴールの音色は、小型のものは独特の澄んだ高音を奏でてくれますし、大型のものでは低音から高音まで、非常に迫力のある大きな音を奏でてくれます。その音色はまさに心安らぐ、癒しの音色です。オルゴール療法といって、ストレス疾患の治療にも用いられている程です。
現在は、大きなオルゴールを見る事はほとんどありませんが、嵐山のオルゴール博物館に行けば、アンティークオルゴールの心地よい、なんとも言えない音色を楽しむ事が出来ます(オルゴール博物館のまわし者ではありません)。
また、現在も日本電産サンキョー商事株式会社、リュージュ社、ポーター社などがオルゴールの製造を続けており、シリンダー式やディスク式のさほど大きくない物であれば諭吉さん数人で入手できます。現在のものは動力もゼンマイからモーターに変わっていますので、ゼンマイを巻く手間もなく、お勧めです。
興味のない方も、是非一度聞いてみて下さい。絶対に感動します。