おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2008年5月 1日 (木)
月刊きょうと/ドライブのススメ(2008年5月)
利用者の京都ナンバーさん(男性)に、ドライブの楽しみについて書いていただきました。
私は車の運転が大好きで、あてもなく車で出かけます。
中でも「こくどう」好きで、「こくどう」を走りに出かけます。皆さんは「こくどう」と聞かれてどんな道路を想像されますか?
おそらく「国道」を想像されたと思います。それも正解ですが、私の目的の「こくどう」は、酷い道の「酷道」を走ることです。
「何やそれ?」と思われた方も多いと思いますが、ラリー用コースではなく、生活道路を走るのです。
「国道」で「酷道」という道路が国内に多数存在します。「国道」といえば整備されて走りやすいと思えば大間違い、「どこが国道やねん!」と、ツッコミたい道路が多数存在します。中でも3ケタ国道(100から400代など)は、「酷道」率が高く、実際に行って後悔や、半泣きになることもあります(後悔するんやったら行くな!)。
しかし、そこは男のロマン(勝手な解釈)として目的を果たさないといけません。
今回は、その中でもおススメの「酷道」を紹介させて頂きます。それは国道157号線です。
石川県金沢市から岐阜県岐阜市を結ぶ国道で、主要道に思われがちですが、中間部、福井県大野市から岐阜県本巣市の約70キロの区間は、正に「酷道」です。
私(旅行帰りで両親同乗)は福井県側から走りましたが、荒れた道で荒廃した家があったりします…「廃村!」。お化けが出そうな勢いです。
さっさと廃村を通過し険しい道を進むと、温見(ぬくみ)峠という峠を越えて岐阜県に入ります。
既に1時間以上走ってますが、対向車も無く単調で退屈になってきます(退屈なんやったら行くなって?)。すると突然道路上に川が!
そう、この国道上には川が何ヶ所も流れてます。通称「洗い越し」と呼ばれ、157号線の名物だそうです。
この辺りから最「酷道」区間に入り、片側は山の斜面に片側は断崖絶壁区間が続きます。落ちたら確実に助からない崖なので、対向車の来ないことを祈ります。約5キロが最酷道区間なのですが、長時間に感じられます。
「落ちたら死ぬなぁ」と思い走ってると、標識に「落ちたら死ぬ!」の文字が…。こんな標識見たのは初めてでした。
心臓ドキドキ(初恋を思い出す…)の末、岐阜県側初の集落へ出ます。生活臭が感じられます。約2時間半、人と隔離された世界にいたため、数軒の家を見ただけで感動を受けたりします。その後は整備された「国道」に様変わりしたので、爆走して家に帰りました。
皆さんも「酷道」を走ってみられてはどうですか? 大自然を満喫できますよ! 但しケータイ圏外区間がほとんどなので、何かあっても自己責任でお願いします。