おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2007年11月 1日 (木)
月刊きょうと/写真散歩「入門」の勧め (2007年11月)
芸術の秋! 散歩の秋!
というわけで今回は、利用者のSさん(男性)に、散歩写真の魅力について書いていただきました。
日中の日差しも和らぎ、散歩やウォーキングが楽しい季節になりました。
お気に入りのコースを辿るのは楽しいものですが、何気なく通り過ぎていた街角に小さな発見や気づきがあると、ちょっと得したような、ささやかなうれしさを感じられたりするものです。
いつもの風景が違って見え、「不思議な視点」と友達になれる写真散歩の魅力について書いてみたいと思います。
その一「カメラは友達」
写真というと大きなりっぱなカメラを想像してしまいますが、写真散歩にはりっぱなカメラなんて必要ではありません。ごく普通のコンパクトカメラや小さなデジタルカメラがお勧めです。携帯電話についているカメラ機能でだって良いンです。撮りたいときにサッと出して撮れる機動性と、被写体に寄って撮れる接写機能が充実していると好適ですが、まずはおうちにあるカメラを片手に散歩に出てみましょう。
その二「光と影」
初秋から早春にかけては日が低くなり、お散歩タイムの朝早くや昼過ぎから夕方にかけての日差しは横からあたるようになるので、光と影がいつもの場所をドラマチックに演出してくれます。光や影をちょっとだけ意識して周囲を見てみましょう。今まで気がつかなかったけれど、確かにそこに存在している、貴方が気付くのをじっと待っていた貴方だけの「美」と、きっと出会えるはずです。
影が作り出す不思議な形や、光と影の対照的な違いなど、興味の対象は人それぞれ。美しさの基準なんてありません。貴方が感じたものは、貴方だけの「美」なのです。自信を持ってシャッター・ボタンを押しましょう!
その三「ビビビアンテナ」
ビビビなんて書くと、某芸能人の結婚記者会見(古っ)みたいですが、決して怪しいものでは御座いません(汗)。 街中でふと気になった「?」や「!」な存在を写真に撮ってみましょう。面白い形の看板や何かの名残で今は形骸だけになった造形物。街中で出逢った子猫や路傍の花。可愛かったり、ちょっと変だったり、懐かしかったりと、アンテナに引っかかるものは人それぞれ違いますが、人と違うことこそが大切な貴方の個性です。アンテナをビンビンに伸ばし張り巡らし、引っかかったものは片端から撮りまくりましょう。撮る人の個性が出れば出るほど、それは貴方にしか撮れない写真です。貴方の個性を清く正しく爆発させましょう。
その四「マナーと交通安全」
写真散歩は、日常生活の中で実践できる崇高でエキサイティングな芸術活動であり健康法の一つでもあります(ちょっと大げさ)。撮らせていただく感謝の念と交通安全には気をつけましょう。つい撮影に夢中になり車に気づかず、「○○は死んでもカメラを放しませんでした。」なんて、洒落になりません。撮影マナーを守り、交通安全にも気を配り、感謝の念を忘れずに、貴方にしか撮ることのできない作品を是非ものにしてください。
終わりに
写真散歩は体に負担の少ない健康法でもありますが、ついつい時間を忘れて、歩く距離も伸びてしまいがちです。
遠くに行き過ぎて帰れなくなったり、休憩と称してついつい甘味処や縄暖簾をくぐることの無いようにしたいものです。
何時か何処かで、貴方の「作品」と出会えることを楽しみにしています。