おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2007年9月 1日 (土)
月刊きょうと/「アマチュア無線」のご紹介 (2007年9月)
今回は利用者のOさん(38歳・男性)に、アマチュア無線についての基礎知識を紹介していただきました。
私の趣味のひとつであるアマチュア無線のご紹介をしたいと思います。
アマチュア無線には大きく分けて三つの楽しみ方があります。
一つ目は、無線を通じて「おしゃべり」を楽しむことです。電波の上で知り合った顔も知らない相手(無線局)と話をします。
初めは名前、住所(通常市区町村名まで)、無線機やアンテナの紹介、アマチュア無線歴などの自己紹介を行い、徐々に趣味や仕事の話などについて話をします。
何度もつながっている局とは、その日の出来事や世間話、仕事のグチなども話し、気の合った局とはどこかで待ち合わせてお茶をしたり、また何局かで集まってバーベキューをしたこともあります。
無線でのおしゃべりは電話と違い通話料はかかりませんので、時間を気にせず話せます。ただ、携帯電話のように暗号化されていないため、誰が聞いているか分かりませんので、あまり過激な話、内密な話は出来ません。
二つ目は、「コンテスト」です。ある一定時間(期間)の間に何局と交信できるかを競うものです。
短いもので1時間、長いもので10日間もあるコンテストもあります。また、コンテストによっては、異なる市・郡との交信数を局数に掛け算してポイントを競うものや、女性の局との交信は点数が5倍になるといったコンテストもあります(女性局が少ないため)。 私も数年前にコンテストにはまっていた時期がありました。
三つ目は、「日本中(周波数によっては世界中)の市・郡と交信し、その交信証(カード)を貰う」楽しみ方です。
日本国内にはおよそ800の市と700の郡があります。例えば日本国内の500の市と交信しそのカードがすべて届いたとします。日本アマチュア無線連盟という機関にそのことを所定の手続きに則って申請すると「JCC500アワード」という賞状のようなものが貰えます。
これは100個の市または郡の単位で申請が可能ですが、日本国内のすべての市・郡のカードが揃うと、「WAJA(全市全郡)」というアワードが貰えます。
この三つ目の楽しみ方は、自宅での運用だけでは限界があります。そこで私も含め多くの局が出来るだけ高い山へのぼり、そこでアンテナを設営し、遠距離交信を狙います(末尾の写真参照)。これを移動運用と呼びますが、私もかつては毎週のように移動運用を行っていました。
アマチュア無線を楽しむには、ご存知の通り国家試験を受け免許を取る必要があります。一番難易度の低い第四級アマチュア無線技士であれば、文庫本程度の参考書を丸暗記すればまず間違いなく合格します。
「話をする」ということは、どんな病気にも良い効果をもたらすと思います。あなたもアマチュア無線という新たな世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?