おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2006年6月 1日 (木)
月刊きょうと/復職トレーニングを受けて・その3 (2006年6月)
2006年3月下旬にバックアップセンターを卒業し、
社会復帰をとげられたHさん(男性)に、体験記を書いていただきました。
1.はじめに
うつ症状で休職した当初は精神的に不安定で、気分もかなり落ち込んでいましたが、2ヶ月目ほど経つと少しずつ回復に向かいはじめました。
休職から4ヶ月目くらいになると、自分ではかなり回復した実感を持ててきました。そして「早く復職したい」という思いに駆られるようになりましたが、主治医からは「慎重におこなったほうがいい」と言われ、悶々とした日々を過ごしていました。
そんなときちょうど、主治医から復職トレーニングを紹介されました。当時自宅にこもりがちだった私は、復職に向けて生活リズムをつけるためにも参加してみようと思いました。
今回、2ヶ月間ほど復職トレーニングに参加して感じたことを述べてみたいと思います。
2.復職トレーニングを受けて感じたこと
初めのうちは、自宅からセンターまで片道2時間弱かかるのがしんどかったのですが、一週間ほどでリズムがつかめてきました。
午後のプログラムは私が普段あまりやらない卓球やバドミントン、バレーボールといったスポーツが取り入れられており、新鮮な気持ちで楽しくプレイすることができました。
ヨガやアロマテラピーといった、これまでやったことのないプログラムに参加できたことも、非常に貴重な経験でした。
週に一度行われるストレス・マネジメント講座では、自分の仕事に対する今までの取り組み方について、どうすればよかったのかを振り返るいい機会になりました。
とくに私の場合、相手に対する自己表現が苦手で、そのことが自分自身を追い詰める結果になっていたように思います。
また、自分と同じような状況にある方々とともにトレーニングを受け、話をすることによって、いろんな場面で共感や安心感が得られました。
このようなプログラムに参加する中で、二ヶ月のあいだ一日も休まずセンターに通うことができ、当初の目的だった「復職に向けての生活リズム作り」はほぼ達成できました。このことは、社会復帰する際に、大きな自信となりました。
今回の復職トレーニングでは、当初想像していた以上にさまざまな経験ができ、自分にとって大きなプラスとなったと感じています。
休職という今回の経験も、自分の人生の中で初めて一休みして、いろいろと人生勉強するいい機会になったように思います。
今後も仕事などで苦しい状況になるかもしれませんが、そのときこそ今回の経験を生かして、自分自身を見直すことができればと考えています。
スタッフの皆さんやメンバーの皆さん、本当にありがとうございました。