おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2019年12月 1日 (日)
月刊きょうと/「子どもの権利条約30周年」(2019年12月)
今回はメンバーのmiyaさんに、子どもの「教育を受ける権利」について書いていただきました。
今年は丁度、子どもの権利条約が採択されて30周年の節目であり、日本が批准して25年となります。この条約には、「18歳未満が子どもであり、すべての子どもの自らが権利を持つ主体であること」が約束されています。今回は、この節目に条約内容を再度捲っていたこともあり、子どもの権利条約と関連したことを書いていこうと思います。
さて、「教育を受ける権利」が子どもの権利条約に記載されています。2016年に教育機会確保法において触れられたフリースクールを筆頭として、オルタナティブ教育というものが、学校(一条校)以外で国からも子どもの教育の場として触れられ、子どもが何をどこで学ぶかの選択肢を広げてくれています。日本のオルタナティブ教育は、不登校の救済や新しい教育という2つの概念傾向があります。前者はフリースクール、ホームスクーリング等、後者は、森のようちえん、イエナプラン、シュタイナー、モンテッソーリ、バカロレア等です。これらは子どもを主体とする教育概念を持ち合わせたものであり、現在の学校で行われている子どもの主体性を育むアクティブラーニングに近いものだと思います。学校教育がいいのか、オルタナティブ教育がいいのか、それは子ども一人一人によって違うものだと思います。ですから、オルタナティブ教育が義務教育の代替として認められていない現状、どちらも子どもが選べ、大人たちはその選択が将来における不利に繋がらないように、教育的・社会的法整備を進めることが、今後求められると思います。
次に、「子どもにとってもっとも良いことを」が子どもの権利条約の4原則の中にあげられています。学校という枠以外にも仕事、家庭、地域、報道等、子どもと関わる機会は場所や立場を変えて何かしらあるとは思うのですが、皆さんは、子どもとの関わりにおいて大切にされていることは何でしょうか。
私は、子どもが教育を受けられる場所が何処であろうと、大人と子どもとの関係性を大事にすることが一番だと思っています。具体的には、「大人、子ども関係なく人権はフラットなのを忘れてはいけない」ということを大切にするように心掛けています。フラットな同じ平面上で、大人は子どもの先を少し先を進んでいるだけです。出来ないことや責任に差はありますが、それを優劣の差と勘違いせずに、大人が子どもにできることは、一緒に悩んで考えることだと思っています。子どもは小さな大人ではないですが、自分で自分のことを決める力、何かを変えられる力を秘めています。それを子どもが信じられるように、大人は 子どもが選んだことを支えてくれる頼もしい縁の下の力持ちであって欲しいなと、強く思っています。これはあくまで、私の中の考えであり、皆さんの考えは皆さんの分だけあって、それは皆さんにとっての正しさなのだと思います。そう考えると、子どもが本当に心から笑顔でいてくれていれば、幸せだと感じていてくれれば、それでいいのかなと思ったりします。
今回は、オルタナティブ教育と私の子どもへの想いを子どもの権利条約をきっかけにお伝えしたつもりですが、少しでも伝わったでしょうか。宜しければ、皆さんの知恵袋の端に置いて頂ければ幸いです。