おうばく通信
2010年7月28日 (水)
月刊きょうと/「アニメの聖地巡礼」(2010年8月)
今回は利用者のKKさん(男性)に、アニメの聖地巡礼について書いていただきました。
宇治おうばく病院のある宇治市にアニメファンに絶大な人気のあるアニメ制作会社があることをご存知でしょうか?そのアニメ制作会社は「京都アニメーション(通称、京アニ)」といい、現在放映されているものでは『けいおん!!』が京アニ制作のアニメです。
京アニで制作されるアニメでは、実在に存在する場所や町並みなどをアニメの背景や舞台などでよく使われています。例えば、『けいおん!!』では主人公たちが通っている高校のモデルが、一時マスコミでも有名になった旧豊郷小学校です。そのことがアニメファンに知られると、こぞって旧豊郷小学校へ押し寄せることになりました。現在、小学校の中は、ファンが持ち込んだ物で主人公らの所属する軽音学部の部室を再現しているそうです(豊郷町も黙認しているのかな?)。このようにアニメの舞台になった場所を「聖地」と呼び、そこへ行くことを「聖地巡礼」と言います。
冬ソナを見た人がその舞台になったところに観光しに行くのと全く同じ行動だと言えます。ただ、アニメファンしか見ないアニメで取り上げられただけなので、一般の方がなかなか気づかないというのが実情です。
そんな状況にもかかわらず、アニメの「聖地」になったことがきっかけで町おこしをする町がでてきました。そこは、埼玉県旧鷲宮町(現、久喜市)で、京アニ制作の『らき☆すた』に出てくる神社のモデルがある町として「聖地」となりました。地元の商工会議所の人たちは、「聖地巡礼」をしてくるアニメファンの話を聞き、様々なイベントを開いたり、オリジナルグッズの販売をしたりしました。余談ですが、現地の祭の際に使われた『らき☆すた』の登場人物の絵が描かれた「らき☆すた御輿」はクールジャパンの象徴として上海万博に展示されました。これを日本の代表の一つとして展示を決めたのはすごいですが…。
このように地域住民の方にも受け入れられ、アニメファンと一緒に町おこしに至って、それなりの成功をしたのは珍しい例かと思います。
アニメが好きであろうと、嫌いであろうと、アニメで自分の近所が舞台となれば、「聖地巡礼」と称して、アニメファンがやってきます。アニメファンが集まる場所は、今日では東京の秋葉原や大阪の日本橋だけではありません。近所を写真で撮ったり、アニメグッズ片手にやってきたりする人が多くなったら、「ああ、何かのアニメで取り上げられたんだなぁ」と思っていただけたらと思います。ただ、中にはマナーの悪い人がいるのが「聖地巡礼」での問題点です。あまりにもひどい状態を何度も見かけられたら、アニメの制作元や漫画の出版社に連絡を入れるのも一つの手かと思います。実際に連載されている漫画雑誌で注意喚起を行ったこともあります。
京アニでは、京都近辺を参考にしてアニメ制作をしていることが多いです。おうばく病院がアニメのワンシーンに登場することがあるかもしれません。その時、アニメファンが押し寄せてきて、病院が大変なことにならないことを願っています。
最後に、京阪・木幡駅徒歩1分の建物の中に、京都アニメーション第2スタジオがあり、2階には京アニ作品のアニメグッズを売っている「京アニショップ」があります。こちらの建物も『らき☆すた』で出てきたため、「聖地巡礼」する方がいらっしゃいます。通院のついでに「聖地巡礼」されたい方はどうぞ(笑)。