理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2021年1月19日 (火)
「ストレッチ運動によるストレスへの影響」
今回は、ストレッチ運動によるストレスへの影響を紹介させて頂きます。
仕事や人間関係など、日常生活の中で身体的・精神的ストレスを抱える人は多いと思います。
中にはそのストレスが過度に加わることで、うつ病などの精神症状を発症する可能性があります。
※うつ病の原因・メカニズムについては、2016年1月13日に紹介させて頂いた ☆ワンポイントアドバイス「うつ病の予防・軽減~運動療法を通じて~」のテーマをご参照ください。
(うつ病の症状)
うつ病による症状は様々であり、気分が落ち込む、不安、焦り、意欲が無くなるなどの精神症状や、めまい、睡眠障害(不眠・仮眠)、動悸、頭痛、肩こりなどの身体障害が挙げられます。
(精神的ストレスとストレッチの関係性について)
以前の☆ワンポイントアドバイスでは、ジョギングやウォーキングの効果について紹介させて頂きましたが、今回は、自宅内で短時間でできるストレッチ運動について紹介させて頂きます。諸説ありますが、2012年の研究によると、人が精神的ストレスを感じると、ストレス指標である唾液中の「コルチゾール(HPA系)」という数値が増え、逆に精神的ストレスが少なくなるとHPA系は減少するといわれています。また、そのコルチゾールは低負荷・短時間のストレッチ運動によって低下することから、ストレッチ運動による精神的ストレスへの影響が示唆されるとの報告もあります。
(ストレッチの準備・方法の説明)
実施前の準備
① 開始2時間以上前に食事を済ませてください
② 約1時間程横になった後、10分間の安静を保持(仰向けが理想)
③ 10分間のストレッチ運動を実施(写真・URLの動画参照)
④ ストレッチ後は10分間の休憩を入れてください。
※ストレッチ運動は就寝10分前が効果的といわれております。
(実践):
① 英雄のポーズ その1
② 英雄のポーズ その2
③ 英雄のポーズ その3
④ 鶴のポーズ その1
⑤ 鶴のポーズ その2
⑥ 子どものポーズ その1
⑦ 子どものポーズ その2
⑧ バッタのポーズ その1
⑨ バッタのポーズ その2
⑩ 全身の伸び その1
⑪ 全身の伸び その2
⑫ 最後に、写真⑩と同じ姿勢になり、ゆっくり息を吸い止めます。息を止めたまま、つま先→ふくらはぎ→腿(ふともも)→臀部(お尻)→掌(握りこぶし)→肩の順に力を入れ、その後息を吐きながら一気に全身を脱力させます。
※YouTubeでもヨガストレッチの動作をご紹介しております。下記のURLからご覧ください。
宇治おうばく病院リハビリ室チャンネル
(注意事項)
1.整形外科疾患や、脳血管疾患、心疾患などの症状を患っている患者様は、運動を始める前に、かかりつけ医に相談してください。2.風邪を引いているときや、体調がすぐれない場合は絶対に運動を行わないでください。3.運動中に異変があった場合は、すぐに運動を中止して、すぐにかかりつけ医に相談してください。
(引用文献)
永松俊哉:低強度・短時間のストレッチ運動が深部体温,ストレス反応,および気分に及ぼす影響BULLETIN OF THE PHYSICAL FITNESS RESEARCH INSTITUTE No.110 pp.1-7
永松俊哉:総説overview 特集○精神疾患に対する行動医学的アプローチ 抑うつ改善に及ぼす運動の効果 Jpn J Gen Hosp Psychiatry(JGHP) Copyright © 2013 by The Japanese Society of General Hospital Psychiatry Vol.25,No.3 Printed in Japan pp.245
作成者:後藤優仁(宇治おうばく病院 理学療法士)
協力者:四方公康(宇治おうばく病院 理学療法士)