理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2016年1月13日 (水)
「うつ病」の予防・軽減 ~運動療法を通して~
「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」などと表現される症状を抑うつ気分といいます。抑うつ状態とは、抑うつ気分が強い状態をいいます。 現在でも、うつ病を発症されている患者様が年々増加しています。
1.うつ発症の要因
諸説ありますが、脳にある神経伝達物質のセロトニンの不足が影響していることが有力とされています。セロトニンは心のバランスを維持する物質で、不足すると精神が不安定となり、うつ症状が現れると言われています。
2.うつと運動の関係について
うつと運動に関係がある事に驚いた方も少なくないでしょう。最近の研究によれば、運動をすることで、脳にあるセロトニンの放出が活発となり、うつを予防・軽減する可能性があることが分かってきました。
では実際の運動方法をご紹介させて頂きます。
3.運動方法
◆運動の種類
①ジョギング
②ウォーキング
③ウェイトトレーニング(筋トレ)
◆運動の期間 ☆1回の運動に30分以上実施する。 ☆週3回、8週間以上継続する。
以上の運動を行うことでうつの予防・軽減効果があるとされています。 しかし、いきなり無理をせず、まずは軽めの運動からはじめるほうが良いかと思います。
※次回は、ウォーキング・ジョギング・筋トレの詳しいやり方について説明させて頂きたいと思います。
4.注意
①整形外科疾患や、脳血管疾患、心疾患などの症状を患っている患者様は、運動を始める前に、かかりつけ医に相談してください。
②熱っぽい、風邪をひいている等、体調がすぐれない場合は絶対に運動を行わないでください。
③運動中に異変があった場合は、すぐに運動を中止して、すぐにかかりつけ医に相談をしてください。
④効果には個人差があります。また、うつに対する効果はすべての方にはあてはまりません。運動を行う前に、かかりつけ医への相談をお願い致します。
参考・引用文献
青木邦夫:運動の不安軽減効果及びうつ軽減効果に関する文献研究.山形県立 大学院論集第3号.2002
作成者:一村 秀和(宇治おうばく病院・理学療法士)
協力者:四方 公康(宇治おうばく病院・理学療法士)