理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2014年11月18日 (火)
腰痛予防~腰痛のかたに対する運動について
「腰痛」は病気の名前ではなく、腰に感じる痛みやはり、不快感といった症状の総称です。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症等、痛みの原因が特定できるものを「特異的腰痛」と言います。ぎっくり腰等、厳密な痛みの原因が特定しきれないものを「非特異的腰痛」と言います。
今回は、痛みの原因がはっきりしない「非特異的腰痛」についての運動を紹介します。
腰痛が治るまで安静にする VS 痛みの範囲内で活動する
腰痛を発症して安静にしていた患者様と、痛みの範囲内で活動していた患者様を比べると、なんと安静にしていた患者は3倍以上リスクでの再発、または慢性化するとの報告があります。無理のない範囲で体は動かしたほうがよさそうです。
では、実際の「腰痛体操」をご紹介します。
★ストレッチの方法
腰・背中・お腹のストレッチ
1.あおむけに寝て、片ひざを両手で抱え、ゆっくりと深呼吸しながら胸の方へ引きつけます。
2.約10秒間そのままの姿勢を維持してください。これを左右の脚で行ってください。
太ももの裏側のストレッチング
1.あおむけに寝て、片方の股関節(足の付け根の関節)を90°に曲げて、ひざの裏を両手で支えて下さい。
2.その位置から、膝だけをゆっくりとできるだけ伸ばしてきてください。
3.一番ひざが伸びた位置で、約10秒間そのままにしてください。
★腹筋体操
1.あおむけに寝て、あごを引いたまま上半身をゆっくり起こし、45度の位置で約5秒間止めて下さい。腹筋の弱い方はこの位置まで起き上がる必要はありません。
2.上半身を起こすようにお腹の筋肉に力を入れて下さい。このとき同時にお尻をすぼめると大殿筋(お尻の筋肉)も働き、より効果的です。
※注意
今回、紹介した体操は、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脊椎圧迫骨折、感染性脊椎炎、脊椎腫瘍、解離性大動脈といった疾患を適応としたものではありません。
体操によって痛みが生じる可能性があります。痛みが増すようであれば、体操をすぐに中止して、かかりつけ医に相談してください。
体操を始めるまえに不安を感じられる場合は、かかりつけ医に相談して下さい。
**********
作成者:一村 秀和(宇治おうばく病院・理学療法士)
協力者:四方 公康(宇治おうばく病院・理学療法士)、竹山 和成(宇治おうばく病院・理学療法士)
参考・引用文献 1) 白川 修:運動器疾患の予防と治療.長寿科学振興財団,2011,P217-228