理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2012年7月 3日 (火)
介護技術~立ち上がり動作編
今回は立ち上がり動作について解説します。
ベットから車椅子への乗り移りやトイレでのズボンの上げ下ろし、入浴場面でお尻を洗う時などには、立ち上がり動作が必要になります。
立ち上がり動作が円滑に行える為の準備、ポイント
①お尻の位置を前にもってきます。
②両足部を手前に引きます。
③体幹の前屈を十分に誘導します。
④座面の高さ調整→イスの座面が低いと、殿部を持ち上げる力が足に大きくかかりますが、座面が高めだと少しの脚力で立ち上がれます
※①、②、③は体の重心を足にのせる為に必要な動きです。
介助の実際
・一部介助での立ち上がり
①介護介助者は要介護者の前にまっすぐに立ち、両手を下から持ちます。
②要介護者の下肢筋力やバランス能力が低下している場合、前方下側へ誘導すると前方への重心移動が行いやすくなります。足部に体重をしっかりとのせます。
③体を起こしてもらいます。この時介護介助者は要介護者が立ち上がるまで、手の位置は同じで要介護者を支え続けます。絶対に持ち上げてはいけません。
・回転式アーム介助バー(以下介助バー)を使って立ち上がる
①要介護者は健側上肢で、介助バーを持ちます。介護者は、要介護者の患側の脇の正面から同じ方の手(右患側なら右手、左患側なら左手)を入れます。
②介護介助者は要介護者の脇に入れた手をそのままの高さで要介護者の体重を感じながら後ろへ引きます。
③要介護者の膝が伸びて立ち上がる動きがでてきたら、介護介助者は少し遅れながら、その動きについていきます。
宇治おうばく病院 竹山和成(理学療法士)、四方公康(理学療法士)、杉浦美智子(作業療法士)、高野治子(理学療法士)
参考文献:在宅における自立支援の介助法 一般社団法人 京都府理学療法士会
潜在力を引き出す介助 中央法規出版
http://www.caresapo.jp/fukushi/kihon/kaigo/83dn3a00000094m6.html(閲覧日2012.6.24)