理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2010年7月15日 (木)
リハビリテーション分野の観点から在宅におけるワンポイントアドバイス
嚥下機能を高めよう!~自主トレ パワーアップ編 ~
はじめに
前回、一人で行える嚥下訓練(ストレッチ)を紹介しましたが、いかがでしたか?
今回は、嚥下訓練として、さらに自分でできる筋力強化練習を紹介します。
① シャキア訓練
目的: 食道入口部を開きやすくする
方法: 仰臥位になり、肩が床面から離れないように気を付けて頭を床から持ち上げ、自分のつま先を見るようにする。
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頭部挙上1分間、その後1分間休む。これを3回繰り返し、一日3回行う。
② 空嚥下
目的: 喉頭の動きを引き出すため。
方法: 口の中の唾を飲み込みます。
原則として坐位で行ないます。ベッド上の場合は、リクライニング位で行ないます。
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唾を飲み込むときには呼吸が止まり、咽頭を通過後に息を吐いています。
この嚥下と呼吸のパターンを再学習し、随意的にコントロールする訓練です。
③ 発声訓練
目的: 口腔機能の改善
方法: 口唇音、舌音などの発声練習を行います。
例えば、『パ』『タ』『カ』『ラ』などの音を、一息で5回連続して発声します。
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『パ、パ、パ、パ、パ』
口唇をきちんと閉じてから、はっきりと発音しましょう。
この訓練により唇が閉じやすくなるため、食事中に口から食べ物がこぼれにくくなることが期待できます。
『タ、タ、タ、タ、タ』
舌の先で、上あごの前歯の後ろの歯茎にさわる位置から、はっきりと、歯切れよく発音しましょう。
この訓練により、舌の先が上がりやすくなるため、食べ物を口の奥に送り込みやすくなります。また、飲み込んだあとで、口の中に食べ物が残りにくくなることが期待できます。
『カ、カ、カ、カ、カ』
口を大きく開けて、舌の後ろの部分だけを挙上します。
この訓練により、舌の奥が上がりやすくなるため、食べ物をゴクンと飲み込みやすくなります。また、飲み込もうとしてむせることが少なくなることが期待できます。
『ラ、ラ、ラ、ラ、ラ』
舌の先を上あごにつけた状態から舌をはじくように発音しましょう。
この訓練により口の奥に食べ物を送り込みやすくなります。
《文献》
1)摂食機能療法マニュアル,2002,医歯薬出版株式会社
2) http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000700/hpg000000611.htm
リハビリ室 理学療法士 竹山一成、石田詩央里、作業療法士 太田美智子