理学療法・作業療法
ワンポイントアドバイス
2017年12月22日 (金)
食事動作編、その1
今回のワンポイントアドバイスは、食事動作に関連して行いたいと思います。
私たちの生活は、日常生活における身の回りの動作が滞りなくできるだけでなく、趣味、生きがい、社会参加などその人にとって「意味のある、したい作業」を日々の生活の中で続け、その行為から満足感や充実感を得ることで、元気に充実した生活を送ることができています。1)
中でも、食事についてはひときわ楽しみにされることは少なくないでしょう。
なんらかの病気や障害によって運動や動作が以前のようにできなくなったり、嚥下機能の低下により食事形態や食事量を変更せざるを得なくなった場合でも、食事の時間は一日のなかでも最も重要な離床機会となることも多いことでしょう。
食事の摂食動作を自分で行おうとするとき、スプーンやフォークなど柄の細いものを握るにはある程度の筋力や手指を曲げる関節可動域が必要です。
握る力が弱くなってしまった、細いものを握る動作が困難になった、でも自分で食べたいという方へ、食事動作を助けるための福祉用具をご紹介します。それがこちら。
万能カフ
ご家庭にある普通のスプーンやフォークをカフに差し込み、掌に巻いて使います。
手指だけでなく手首や肘をうまく動かしにくい方でもこの万能カフを使うことですくいやすくなる可能性があります。
手首や肘の機能が比較的保たれている場合は、スポンジハンドルも検討の余地があります。
スポンジハンドルをつけたスプーン
スプーンが持てない、食事の途中で手が疲れてしまう、とあきらめていた方、一度検討されてはいかがでしょうか?
<費用について>
いくつかの福祉用具総合カタログによると、万能カフは一個2000円程度。スポンジハンドルは様々な形があり材質もいくつかあり値段も幅があります。一個500円~1500円程度のようです。スプーン付のものでは一本2000円~3000円程度です。
介護保険による負担軽減はなく、全額実費での購入となります。
<注意点!!>
買う前に、使用されたいスプーン等が差し込めるかどうか、お試しください。
検討や購入に関しては福祉用具専門の業者さんやケアマネージャーさんと相談の上行ってみて下さいね。
それではまた!!
<参考資料>
1)一般社団法人日本作業療法士協会:生活行為の自立を目指して 生活行為向上マネジメント. 2014