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【BUCきょうとメンバーブログ】第34回:「トライアル利用を終えて」

2018年3月 1日 (木)

バックアップセンター・きょうとには「トライアル利用」というプログラムがあります。「毎日朝から動けるか心配」「体力や集中力が戻っているか確認したい」「1-2か月後には復職していたいが戻れるか不安」などの気持ちを抱えている方が4週間通所して復職できる状態にあるかを確認するプログラムです。

 通常のプログラム(本通所)ですと、ステージⅠ(生活リズムの安定と軽作業)→ステージⅡ(対人関係、認知特性などの自分の特性を振り返る)→ステージⅢ(復職と再発予防のためのさまざまな活動や課題に取り組み行動変容をめざす)→復職準備ステージ(再発予防の対処法実践と復職後の生活に合わせた活動実施)と進んでいきます。通所の期間は医師とスタッフが「復職可能」と判断するまでで、ひとによってまちまちです。

 私は体調や生活リズムは安定していましたが、過去2回休職と復職を繰り返していたこともあり、主治医からの勧めで産業医の復職説得材料とするためにこのトライアル通所を決めました。

 4週間でステージⅡ相当のプログラムをこなすのですが、150ページに及ぶ課題図書の要約、自分の病歴の振り返りのデスクワークと並行して、コミュニケーション/ストレスマネジメントといった再発防止の勉強、チームプレゼン/模擬会議といった仕事の勘を取り戻すワークなどもあり、病み上がり直後にしては少々ハードな内容です。複数同時進行作業や心理検査など作業評価もあります。

 私はなんとか休まず、納期遅れなくワークをこなしトライアル利用の4週間を終了しました。一応トライアル利用“卒業”の判定基準はクリアでき、“復帰可能”の判定をいただきましたが、作業評価で不安なところがあり、また病歴の振り返りで気づいた“自分の特性”への対策、再発防止の知識やスキルも中途半端な状態なので、復職をあせるよりも“しっかり治す”を優先し本通所に切り替えることにしました。現在継続して通所しています。

 メンタル疾病の治療・回復には苦しんでいた期間と同等の期間が必要だとどこかで聞きました。これから長い人生を生きていく上でわがままですが、数ヵ月自分のために過ごしてもいいかと今思っています。これまで家族のことを省みず何よりも会社優先だった考えがこう変わったのが私の「トライアル利用」の大きな成果物です。

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↑たくさんの気づきをくれた課題図書。多くのメンバーが最初に読む図書です。 

(ペンネーム:サンドイッチ)

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