おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2018年9月 1日 (土)
月刊きょうと/「私のお薦めプログラム」(2018年9月)
今回はペンネーム浜省ファンさんに、BUCでのおススメのプログラムについてご紹介いただきました。
BUCに通所し始めて、6ヵ月目に入った。BUCで学ぶことは沢山あり、プログラムが2クール目で、復習という感じなっていることもあり、知識という面ではそれなりに得たと思う。
ただ今回は、特にここ数ヶ月で感じている「お薦め」をご紹介。
それは小グループでの活動。中でも私にとって何が一番「ためになるか、なったか」というと、SST小グループとCBT小グループ。
希望者で構成され、少ない人数で奥深く掘り下げた内容で行われるプログラム。
まずはSST小グループ。
自分が不安に思っていることや、こういう時にどういう対応をしたらいいか分からず悩んでいる等というようなものをテーマにあげ、毎回1つのテーマに沿ってロールプレイ。
一番いいと思うことは、かなり現実的で、且つ実践的なロールプレイができること。
参加しているメンバー全員で、「ここが良かった、こうしたらもっと良くなるのでは?、こんなやり方もあるのでは?」等、色んな意見を貰え、対処する方法、自分の引き出しを増やしていくことができる。
次にCBT小グループ。
メンバーが不安に思っている、気分が落ち込んだりした時の出来事などを、認知療法の一つ「7コラム」を使って勉強。
通常のストレスマネジメント講座のプログラムの中でも習うが、毎回、一つの事例(出来事)に1時間かけて勉強していくので、奥の深さが通常の講座プログラムとは全然違う。
自分の書いてきた出来事「7コラム」を参加メンバー皆にオープンにし、その時自分が感じた気分や考え(思考)等、メンバーの方から「こんな感情はなかったか?」とか、「これは事実ではなく、自分の想像や思考なのでは?」というようなことを訊かれ、「そういえば、そんな感情もあった」等、色んな意見を貰え、人から聞くことで自分がその時思っていた気持ちや考えに気付くことがある。
また自分のことは難しいけど、他の人が書いてきた「7コラム」を第三者的に見た方が、冷静な考えができるというようなことも多い。
「7コラム」の習得は、もっと自分を大切にする気持ちを持つことだと思う。もし自分が悩んでいる出来事が、自分ではなく自分の大切な人だった場合、どのようなアドバイスをしてあげられるか…きっと「大丈夫だよ、心配することはないよとか、気にすることないよ」とかそういう言葉を発すると思う。
例えていうなら、裁判所で、検事が「こんなことをやった(事実)」と言い、弁護士が「でもこういうこともある。本当はこういう人です(事実)」と反論、そこで裁判官が冷静で適切な判断をする…というような感じに近いか。
大切な人にはアドバイスができるはずなのに、いざ自分のこととなるとなかなかできない(考えられない)。だから難しい。だからこそ他の人からの意見を聞いて、自分の考え方の癖を知り、偏った考え方から「こういう考え方もできるのでは?」と冷静に自分を見つめ直すということが大切と思う。
交流会等で、OBの方にBUC内でもっと勉強しておけば良かったと思う講座は何かと聞くと、「7コラム」という回答が多い。
ただ正直、お薦めと言っても、私にとって実はこれが難しく、苦手なプログラムだが、復職までに一番習得したいプログラムである。