おうばく通信
BUCきょうと機関誌『ばっくる』連載エッセイ
2010年1月28日 (木)
月刊きょうと/ 「離島の魅力」(2010年2月)
今回は利用者のねこやんさん(女性)に、「離島の魅力」についてのインタビュー記事を書いていただきました。
あまり面白い手持ちの体験談がなかったため、今回は「喜界島」という離島に赴任した経験をもつ友人のYさんに、島の魅力についてインタビューしてきました(以下【ね】:ねこやん)。
【ね】:喜界島はどんな島なのでしょう?
Y:奄美大島と沖縄の間にある奄美大島郡の島のひとつで、屋久島、与論島、徳之島と同じ鹿児島県の島です。
【ね】:沖縄だと思ってた(笑)。
Y:沖縄にも近いからよく間違えられるんだけどね。珊瑚でできた島で、今でも毎年数ミリずつ島が大きくなってる。喜界島は奄美で唯一だったと思うんだけど、ハブがいない島で珊瑚の石垣がきれいに残ってるねん。珊瑚の石垣にハブが住み着くから壊されてしまったところが多いんだけど、喜界島では集落ごと壁とか残ってるんだよ。
【ね】:きれいな島なんだねぇ。他に見所は?
Y:空がすごいキレイ。広くて開けてるから飛行機とか飛んで来るのがよく見えるし、夜は1時間にいくつも流れ星が見える。海もきれいで、ダイビングも何回かやったなぁ。ダイビングのあと、島の人とみんなで20人くらい集まって浜辺でバーベキューしたりもした。島の人がみんないい人で、おばちゃんが人招いて料理作ってくれたり、みんなで何か持ち寄って食べたり、三線(さんしん)弾いて踊ったり花火したり。
【ね】:すごい、青春や…(笑)。島の食べ物は?
Y:島バナナとか島みかんが採れるけど、島バナナ高いねん。魚は熱帯魚みたいにカラフルで、豚肉とかヤギ肉をよく食べる。ヤギ肉食べるのが特徴かな。ヤギ刺しとかヤギ汁、焼き肉もヤギやし、うちは駄目だったけどヤギの血で炒めたやつとか。ヤギそこら辺歩いてて歓迎のときは一頭絞めちゃう。牛とかも歩いてたけど食用じゃなくて乳牛やったな。あと伊勢えびが簡単に捕れて、もう親に申し訳ないくらい食べた。
【ね】:行ってみたいなぁ。島へはどうやって?
Y:奄美から飛行機かヘリで。船は1日に1本で3~5時間かかる。飛行機だと15分。ただプロペラ機だからうるさくて…。空港も小さくて阪急の駅のほうが立派なくらい。滑走路が短いから着陸のときとか前の座席につかまらないと吹っ飛ぶし。
【ね】:すごそうだね…。他に何か不便なことは?
Y:島の水は珊瑚のせいでカルシウムが多くて、真水を飲むと下痢するから飲めへんねん。あと湿気がすごくて、亜熱帯っていうのかな?アマゾンみたいな感じ(笑)。雨はスコールみたいだし、台風とか天気が悪い日が続くとスーパーがガランとしちゃって…。
【ね】:あ、スーパーはあるんや。
Y:コンビニもあるよ。9時に閉まるけど(笑)。でも運ぶのに手間がかかるためか島では物価が高かったな。島には病院と診療所が一つずつあるんだけど、十分な治療ができないこともあるから手に負えなくなると奄美へ、とかになる。
【ね】:島での一番の思い出は?
Y:10時間かけて島一周歩いたことかな。島の周囲が30kmくらいだから一晩かけて。あと、周りの友人が誕生日を祝ってくれたこと。ものが無い中で手作りの遊びが出来たことが楽しかった。こっちでは作れない人間関係が出来たかな。
島をいったん出ても帰ってくる人が多いという喜界島の本当の魅力は、やっぱり「人」なのかも。楽しい話題を提供してくださったYさんに感謝。(写真提供:Yさん)